>>261
なので、中・東欧は「神の代理人」というテオクラシー(神権政治)型の君主政とは、同じキリスト教圏でも対極にある。かつて中・東欧の人々が批判した、より西側の絶対王政や王権神授説もそこまではいかない(中世初期カロリング朝による世襲王政の統治をテオクラシーとみる向きはあるが)。

カトリックで選挙国制の典型だったポーランドがプーチンの侵攻を率先して非難するのも、歴史のほか政治文化から考えると、確かに合点がいく。三浦先生の解釈を実証するような史料はすぐには思い浮かばないが、宗教論に基づく考察に刺激を受けたし、中世文学者による現代解釈に大変勉強させて頂いた。