※2022/11/12 05:00

 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「ワクチン」。

 新型コロナウイルスの流行が2年余りにわたる中で、「ワクチン」が国民にとって身近な存在になった。考えてみると、私たちは物心つく前から、さまざまな病気を予防するために、多くのワクチンを打っている。

小学校入学前に10種類前後
 ロタウイルス、BCG、水ぼうそう……。生後2か月~小学校入学前に、人は通常10種類前後のワクチンを打つ。特に1歳になる前に、6種類を計15回以上接種する。複数ワクチンの同時接種も可能だが、それでも結構過密なスケジュールになる。

 「こんなに打つんですね」

 ワクチンデビューする赤ちゃんの親が、日程表を見て驚く姿も取材した。

 人間は、一度体に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を記憶し、次に侵入してきた時にすぐに攻撃できる。

 「免疫」と呼ばれる仕組みで、ワクチンは、この機能を活用している。ワクチン接種で病原体を記憶し、病気の発症や重症化の予防を狙う。一生に1回しか打たないワクチンもあれば、十分な効果を得るために複数回打ったり、季節ごとに打ったりするものもある。

 ワクチンは、〈1〉生きた病原体の毒性を弱めた「生ワクチン」〈2〉死滅させて病原体を無害化した「不活化ワクチン」〈3〉ウイルスの遺伝子の一部を主成分とする「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」――などに分類される。mRNAワクチンは、新型コロナで初めて実用化された新技術だ。

 また、ワクチンは、予防接種法に基づき、公費助成により無料または低額で受けられる「定期接種」と、希望者が自己負担で受ける「任意接種」に大別される。このほかに、 蔓延まんえん 防止を目的に緊急的に無料で行う「臨時接種」もあり、今は新型コロナワクチンが該当する。

 定期接種となっているのは、主な乳幼児向けワクチンや高齢者らの肺炎球菌ワクチンなど12種類。任意接種は10種類以上ある。インフルエンザは一般には任意接種だが、65歳以上の人らは定期接種として受けられる。

起源は18世紀

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