https://news.yahoo.co.jp/articles/e22d9b7aa264c486f19a92a63549c5368843dadd
 農作物を食い荒らすハダニは、アリの足跡に残る化学物質を避けることでアリに食べられないようにしていることを、
京都大大学院の矢野修一助教らの研究グループが発見した。
この物質を活用すれば、人体や環境に無害で、ハダニが耐性を付けない農薬が開発できる可能性があるという。
成果は10月25日付のオランダの国際学術誌に掲載された。

ハダニは野菜や果物の葉の上に卵を産み、葉を食い荒らす。
寿命がわずか10日間ほどで進化が非常に早いため、農薬への耐性を付けやすい特性がある。

研究グループは、アリが生息している自然環境では、ハダニの数が畑よりも少ない点に着目。
人工のアリの巣の入り口に「玄関マット」のように葉片を置いて満遍なく足跡を付けさせ、ハダニが近づくかを調べた。
その結果、アリがハダニを食べる種類かどうかにかかわらず、ハダニは足跡の付いた葉片を避け、効果は1~3時間続くことも確認した。

研究グループは化学物質を特定し、畑などで効果を検証する実験を行っている。
矢野助教は「アリに食べられる害虫は多く、他の害虫にも活用できるかもしれない」と話している。