軍拡競争の過熱も懸念する。「日本が攻撃能力を持てば、相手はそれを上回る破壊的な攻撃力を持つエスカレーションの階段を上っていく」と明言し、「相手を脅して抑止するのは幻想だ。攻撃力が自分たちへの刃になる」と語る。
 東大の石田淳教授(国際政治学)は「専守防衛という長年の宣言政策の信頼が低下し、他国の不安をかき立てる」と警鐘を鳴らす。日本と中国や北朝鮮は近接し、ミサイルに対応する時間は限られる。「何かあったらすぐに日本もミサイルを撃たなければならず、誤認による偶発戦争も起こり得る。それが怖い」と危ぶんだ。(