※2022年12月02日 18時55分更新
NST

先月25日、新潟県長岡市のごみ処理施設で作業をしていた30代男性が倒れてきた扉の下敷きになり死亡した事故。施設のずさんな管理体制が指摘される中、遺族が1日、NSTの取材に対し「人災だったのではないか」と怒りの声をあげています。

【死亡した阿部和紘さんの母・由香里さん】
「返してほしい。悔しい」

【死亡した阿部和紘さんの父・均さん】
「せがれの命が奪われたというのはただただ悔しい」

悲しみの中、悔しさを口にしたのは倒れてきたごみピットの扉の下敷きになり37歳の若さで亡くなった阿部和紘さんの両親です。

【死亡した阿部和紘さんの父・均さん】
「最後に力を振り絞って『助けてくれ』ということを伝えたらしいです」

事故があったのは先月25日。長岡市が管理するごみ処理施設、鳥越クリーンセンターで作業をしていた阿部さんは倒れてきた重さ・約700キロの鉄の扉の下敷きになり亡くなりました。

【父・均さん】
「自分の子どもで何なんですが、笑顔がいい子どもだと思います」

【母・由香里さん】
「あの子の生命のろうそくの火を誰が消したのって、大事な私の息子」

真面目で責任感の強い性格だったという阿部さん。仕事のために様々な資格を取っていて来年2月にも新たな資格取得に向け、試験を受ける予定だったと言います。

【母・由香里さん】
「一生懸命勉強しているのに試験も受けられない」

一体、なぜ若い尊い命が奪われなければいけなかったのか。その原因の1つに施設の老朽化があったとみられています。

【記者リポート】
「ごみピットの扉はおととしから不具合が発生していて、自動で開閉することができず、常時開けていた状態だったということです」

2020年から発生していた扉の不具合。しかし、事故が起きるまでその不具合は放置されたままでした。

【長岡市環境施設課 平澤秀康課長】
「ごみを投入している箇所になりますので、それを市が把握していないということはあり得ませんし、安全に十分注意をして使用する開閉は基本的にしないという形で使用してきたというのが実態」

扉を新しくするためには約2千万円の費用が必要だった一方、施設は2024年には閉鎖する予定で不具合が解消されることはありませんでした。

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