毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20221222/k00/00m/010/191000c
最終更新 12/22 18:13

政府は2023年5月に広島で開催する主要7カ国首脳会議(G7サミット)の拡大会合にインドのモディ首相とインドネシアのジョコ大統領を招待する調整に入った。インドは23年の主要20カ国・地域(G20)議長国を、インドネシアは同年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務める。政府は法の支配などを重視する「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、G20やASEANとの連携強化につなげたい考えだ。

拡大会合はサミットの議論を深めるため、議長国がメンバー国以外の首脳や国際機関の代表を招いて開催する。G7広島サミットではウクライナに侵攻するロシアや、台湾への威圧を強める中国への対応が議題に上る見通しだ。日本政府はG7だけでなく、インドやインドネシアを交えて「力による一方的な現状変更」を容認しない姿勢を打ち出したい考えだ。中露をけん制することを目指す。

インド、インドネシアはいずれも中国と経済的な結びつきが強く、ロシアとは軍事面などで関係が深い。インドはウクライナ侵攻が始まった後にロシア産原油の輸入量を増やすなどロシアと友好関係を維持。インドネシアは議長国を務めた11月のG20サミットで、G7とロシアの間で調整役を担い、首脳宣言をとりまとめた。

日本政府はG7議長国としてリーダーシップを発揮する上で、インド太平洋地域の大国で中立的な立場を保つインド、インドネシア両国との協力を重視する。政府関係者は両国について「G7と中露の『橋渡し役』として存在感が増している。国際秩序の維持のため、緊密に連携することは極めて重要だ」と話した。【竹内望】