新型コロナウイルス感染拡大の第8波が続くなか、山梨県内の薬局やドラッグストアでも市販薬の品不足が生じている。製薬会社の相次ぐ不祥事でジェネリック医薬品(後発薬)の品不足が長期化している上、感染拡大による需要急増が品薄に拍車をかけている。県薬剤師会は「感染に備えて用意できるものはしてほしいが、必要最小限にお願いしたい」と呼びかけている。

【写真】ひつぎに納められたコロナ感染者の遺体
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 「解熱鎮痛剤など市販薬購入者には2、3箱ほどを上限にお願いしている」

 甲府市の内藤薬局飯田店では今月、解熱鎮痛剤や風邪薬などの購入者に対してこうした要請を始めた。同店経営で、県薬剤師会の会長も務める内藤貴夫さん(72)は「発熱外来の受診者は8波入り前と比べて3倍に増え、品不足は深刻。本当に困っている」と話す。

 県薬剤師会によると、2020年に発覚した製薬会社「小林化工」(福井県)の医薬品の不正製造問題など、後発薬メーカーで品質管理を巡る不祥事が相次ぎ、全国的に価格の安い後発薬の品不足が長期化。感染者数の急増に加え、昨年夏頃から県内でも外国人が母国の家族や知人らに向けて市販薬を買い占める姿も見られるようになったという。

 県内の薬局の中には、在庫不足から、同様の効果がある別の薬への変更などを患者に依頼せざるを得ないケースも生じているという。

 一方、厚生労働省は昨年末、市販薬の買い占め防止を講じるよう業界団体宛てに事務連絡を出した。現時点で、製薬会社の在庫や流通量に問題は生じていないが、大量購入が相次ぐと、供給が滞る懸念もあっての対応だ。

 山梨県衛生薬務課は「今のところ、県内で市販薬を購入できないという情報はなく、県独自の要請は考えていない」としている。

Yahoo!Japan/読売新聞オンライン 1/15(日) 5:35配信
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