テレビの生放送中に反戦を訴えたロシアのジャーナリストのマリーナ・オフシャニコワさん(44)が、国際NGO「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)の支援を受けてロシアから密出国し、フランスに亡命したことが分かった。RSFが10日、オフシャニコワさんとともに記者会見を開き、明らかにした。

 オフシャニコワさんはロシア国営テレビ「第1チャンネル」の編集者だったが、昨年3月、生放送中のテレビ番組で「NO WAR(戦争反対)」などと書いた紙を掲げ、ロシアのウクライナ侵攻に抗議した。

 8月にはモスクワで別の抗議活動を行った際に掲げたプラカードが虚偽情報の拡散に当たるとして罪に問われて自宅に軟禁されたが、10月以降は動向が分からなくなっていた。

 RSFの説明によると、オフシャニコワさんは昨年9月、懲役10年の刑を科される恐れのある裁判の期日が迫るなかで、協力者を通してRSFに連絡を取り、ロシアから亡命する意思を伝えたという。

 警察の監視が弱まる週末を待って、着用が義務づけられていた電子ブレスレットをペンチで外し、娘を連れてモスクワを離れた。国境に到着するまでに車を7回乗り換えたが、最後は車がぬかるみにはまって動けなくなった。星の光を頼りに徒歩で暗闇をさまよい、国境を越えるまでには数時間かかったという。

 協力者の安全などのために出…(以下有料版で,残り258文字)

朝日新聞 2023年2月12日 5時52分
https://www.asahi.com/articles/ASR2D1T95R2DUHBI001.html?iref=comtop_7_05