【4】「…(さ)せていただく」を余り使わない方が良いと聞きましたが,実際には,見聞きすることが多いと感じます。また,自分でも「それでは,発表させていただきます。」などと言ってしまうのですが,どう考えれば良いのでしょうか。

【解説1】
「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は,基本的には,自分側が行うことを,ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われます。したがって,ア),イ)の条件をどの程度満たすかによって,「発表させていただく」など,「…(さ)せていただく」を用いた表現には,適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがあります。

【解説2】
次の(1)~(5)の例では,適切だと感じられる程度(許容度)が異なります。

(1)相手が所有している本をコピーするため,許可を求めるときの表現
「コピーを取らせていただけますか。」

(2)研究発表会などにおける冒頭の表現
「それでは,発表させていただきます。」

(3)店の休業を張り紙などで告知するときの表現
「本日,休業させていただきます。」

(4)結婚式における祝辞の表現
「私は,新郎と3年間同じクラスで勉強させていただいた者です。」

(5)自己紹介の表現
「私は,○○高校を卒業させていただきました。」