よくあるお話 ときめき坂メンタルクリニック
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(11)いじめについて
(中略)
(**)いじめ加害者の予後
日本では、これまでいじめの加害と非行や犯罪との関連性の有無は全く問題視されてきておらず、
いじめ加害の攻撃性や犯罪性を一過性のものと見なす傾向が高い。
よって、こうした研究は今のところわが国には存在しておらず、今後の調査研究が期待されるところである。

・小学校2年生でいじめの加害者だと認定された男子は、24歳の時、犯罪者になっている確率が、そうでない男子より6倍高い。
 さらに30歳の時点では、そうでなかった人の2倍近くも深刻な犯罪をしていた(Olweus,1991)。
・8歳の時に攻撃的な男子は、大人になってから何らかの犯罪者になる確率が高く、さらに大学を終えたり就労したりすることが困難である(Eron,1987)。
・いじめの加害者だった女子は、母親になった時に虐待を行うことが多く、その子どももいじめの加害者になることが多い(Eron,1987)。(いじめの世代間連鎖)

(中略)

3.犯罪性のあるいじめについて
(4)正しい根拠に基づいた対応の必要性~エビデンスという考え方
日本では、犯罪や非行の原因として家族関係がきわめて重視される場合が多かったのですが、
エビデンスに基づいた研究によって、このような家族関係の影響力はそれほど大きくない(ハリス、2000)という事がわかっています。
サイコパスに反省や更生が可能だというエビデンスはありません。
(中略)
2008年にシカゴ大学の心理学チームが行った実験によると、窃盗や公共物破壊、弱い者いじめといった経歴を持つ16~18歳の少年の脳を検査したところ、
彼らの脳には他人の苦しみを見ると喜びを感じる回路が備わっているかも知れないという結果が出たそうです。
これらの実験結果を受けてチームの一員であったベンジャミン・レイヒーは、
「他人を傷付けるたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進む可能性がある」と語っています。