トラブルが相次ぐマイナンバー制度を巡り政府が実施してきた総点検が、11月末までの期限を迎えた。12月上旬にも点検結果を最終報告する。結果を踏まえ、岸田文雄首相は来秋に予定する現行の健康保険証の廃止時期について判断するとみられる。ただ、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせたマイナ保険証の利用率が低迷するなど、国民の不信感は根強いままだ。(嶋村光希子)
◆ひも付けトラブル続出で延期論噴出
「現行の保険証の廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提」
岸田首相は8月4日の記者会見で廃止時期の判断の先送りを表明して以降、国会論戦でこう繰り返してきた。トラブル続出で保険証廃止の延期論が出る中、総点検とトラブルの修正状況を踏まえて、最終判断するとしてきた。
政府は国民の不安払拭に向け、「マイナンバー情報総点検本部」を6月に設置。マイナカード取得者用サイト「マイナポータル」で閲覧できる個人情報について、マイナンバーとのひも付けに誤りがないか調べてきた。全国の332自治体と労働基準監督署1署が、約8000万件以上のデータを確認した。
◆「他人の個人情報閲覧」2カ月公表せず
点検対象は、所得・個人住民税や障害者手帳、児童手当などの21事務。このほか、健康保険証や共済年金、公金受取口座の8事務については、1300以上の健康保険組合などが先行して点検していた。その結果11月9日時点で、ひも付けミスがマイナ保険証で8544件、障害者手帳で3063件見つかるなど多数のトラブルが積み上がった。
さらに、国民の不信感を募らせる事案も発覚。誤登録された公金受取口座で、他人に情報を閲覧されたケース215件が明らかになったが、デジタル庁は9月に把握してから約2カ月、公表していなかった。同庁は9月に、政府の個人情報保護委員会の行政指導を受け、情報漏えい時に適切に対応するよう求められていたばかり。個人情報管理に対する問題意識の希薄さが改めて浮き彫りになった。
◆マイナ保険証の利用率、6カ月連続ダウン
総点検を指揮する河野太郎デジタル相は11月15日の参院特別委員会で「(廃止の延期は)まったく考えていない」と強調した。ただ、保険証を廃止する環境が整ったとは言い難い。マイナポイントの付与で、マイナカード取得率は72.7%(10月末時点)となったものの、マイナ保険証の利用率は約4.5%(10月)で、6カ月連続で減少した。
政府は、マイナカードを保有していない人のための「資格確認書」や、暗証番号の設定が不要な顔認証のマイナカードなど、マイナ保険証がなくても保険診療が受けられる証明書類を相次いで発行する方針だが、余計に現場の混乱を招いている。
国民の不信感を拭えないまま、予定通り保険証の廃止を強行するのか―。市民団体「共通番号いらないネット」の宮崎俊郎さん(62)は「マイナ保険証の利用率の低迷は、国民の不安の表れ。政府は民意をきちんとくみ取ってほしい」と話した。
東京新聞 2023年12月1日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/293223
「マイナンバー総点検」今日期限…不信は解消されるのか? 保険証の廃止延期、河野氏ax「考えてない」 [蚤の市★]
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
2023/12/01(金) 08:23:10.19ID:Px1Fzwy/9
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています