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デール・ジョルゲンソン 米ハーバード大学教授
[東京 28日] - 日本経済の最大の課題は1991年以来低迷が続く生産性上昇率のテコ入れであり、最も効果的な政策アプローチはアベノミクスの初志に立ち返り、岩盤規制の排除を目指すことだと米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授は語る。
安倍政権が2016年秋以降、優先課題として取り組んでいる長時間労働の是正や非正規雇用の処遇改善などの働き方改革については、社会的に望ましい政策であり実現すべきだが、生産性向上の決め手にはならないと指摘。労働政策面では、併せて出生率の改善や労働効率の向上などを目指し、減少傾向が続く労働力人口問題の解決に真正面から取り組む必要があると説く。
同氏の見解は以下の通り。
<現行の働き方改革に足りないもの>
安倍政権は昨秋以来、アベノミクスの優先課題として働き方改革を掲げ、多大な時間と労力を割いているが、そうした改革が、1991年以来低迷が続く生産性上昇率の引き上げにつながる可能性については、あまり高望みをしない方が良い。
もちろん、長時間労働の是正や、労働市場の二重構造問題(正規・非正規雇用の分断)解消、女性活躍の促進、そして時間や場所に制約されない多様な働き方の許容などは、社会的に望ましい政策であり、進めていくべきだ。だが、労働生産性は、労働者1人当たり、労働時間1時間当たりでどれだけの成果を生み出しているかという視点で捉えるべきである。そうした効率性の観点から言えば、現行の働き方改革イコール生産性向上の実現ではない。
労働政策と経済効果をリンクさせたいならば、1998年をピークに減少傾向にある労働力人口問題に真正面から取り組む方が重要だと考える。目標にすべきは労働効率の向上、出生率の改善、女性の就労拡大などだ。その意味で、働き方改革の項目の1つに、女性活躍の推進が入った点は良い。言葉だけではなく、数値に表れる成果が必要だ。
(リンク先に続きあり)
(聞き手:麻生祐司)
*デール・ジョルゲンソン氏は米国の経済学者で、投資理論・生産性分析の権威。ハーバード大学名誉教授。計量経済学会会長、米国経済学会会長、米国学術研究会議経済政策部門(STEP)委員長などを歴任。スウェーデン王立科学アカデミー、全米科学アカデミーなどの名誉会員。
2017年 8月 28日 2:54 PM JST
デール・ジョルゲンソン 米ハーバード大学教授
[東京 28日] - 日本経済の最大の課題は1991年以来低迷が続く生産性上昇率のテコ入れであり、最も効果的な政策アプローチはアベノミクスの初志に立ち返り、岩盤規制の排除を目指すことだと米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授は語る。
安倍政権が2016年秋以降、優先課題として取り組んでいる長時間労働の是正や非正規雇用の処遇改善などの働き方改革については、社会的に望ましい政策であり実現すべきだが、生産性向上の決め手にはならないと指摘。労働政策面では、併せて出生率の改善や労働効率の向上などを目指し、減少傾向が続く労働力人口問題の解決に真正面から取り組む必要があると説く。
同氏の見解は以下の通り。
<現行の働き方改革に足りないもの>
安倍政権は昨秋以来、アベノミクスの優先課題として働き方改革を掲げ、多大な時間と労力を割いているが、そうした改革が、1991年以来低迷が続く生産性上昇率の引き上げにつながる可能性については、あまり高望みをしない方が良い。
もちろん、長時間労働の是正や、労働市場の二重構造問題(正規・非正規雇用の分断)解消、女性活躍の促進、そして時間や場所に制約されない多様な働き方の許容などは、社会的に望ましい政策であり、進めていくべきだ。だが、労働生産性は、労働者1人当たり、労働時間1時間当たりでどれだけの成果を生み出しているかという視点で捉えるべきである。そうした効率性の観点から言えば、現行の働き方改革イコール生産性向上の実現ではない。
労働政策と経済効果をリンクさせたいならば、1998年をピークに減少傾向にある労働力人口問題に真正面から取り組む方が重要だと考える。目標にすべきは労働効率の向上、出生率の改善、女性の就労拡大などだ。その意味で、働き方改革の項目の1つに、女性活躍の推進が入った点は良い。言葉だけではなく、数値に表れる成果が必要だ。
(リンク先に続きあり)
(聞き手:麻生祐司)
*デール・ジョルゲンソン氏は米国の経済学者で、投資理論・生産性分析の権威。ハーバード大学名誉教授。計量経済学会会長、米国経済学会会長、米国学術研究会議経済政策部門(STEP)委員長などを歴任。スウェーデン王立科学アカデミー、全米科学アカデミーなどの名誉会員。
2017年 8月 28日 2:54 PM JST