北佐久郡軽井沢町で2016年1月に起きたスキーバス転落事故をきっかけに、全国10カ所に昨年設置された貸し切りバス業者を巡回指導する民間の「適正化センター」の指導員について、国土交通省が2021年度までに現在の3倍近い88人に増やす計画を立てたことが2日、分かった。全国の営業所を年1回は巡回する態勢を構築し、ずさんな運行管理を続ける悪質業者の早期発見、指導につなげる狙い。各センターに協力を求めていく。
軽井沢の事故後、国交省の監査人員が不足し、業者の監査が追い付かない実態が表面化した。同省は補完対策として、道路運送法を改正し、業者の負担金で運営する適正化センターを全国10運輸局ごとに設置。センターの指導員が悪質業者を同省に報告し、監査につなげる仕組みで、17年8月に始動した。
全国のセンターにいる指導員は同年11月末現在、33人。同省は軽井沢の事故を受け、全国4123事業者の5737営業所(17年6月時点)の全てを年1回は巡回する目標を掲げたが、現在の態勢では実現は困難という。
国交省北陸信越運輸局管内(長野、新潟、石川、富山の4県)を管轄する北陸信越貸切バス適正化センター(新潟市)の場合、指導員は現在2人。巡回を予定する134営業所(県内75営業所、17年5月時点)のうち、17年度中に巡回できるのは46営業所(県内20営業所)にとどまる。
17年10月に開いた同省と軽井沢の事故の遺族との意見交換会では、遺族側から「指導員確保の具体的計画を示してほしい」との声が出ていた。
同省はこれまで全国で実施された巡回指導の実績を基に、指導員の拡充計画をまとめた。質の高い指導員の確保には一定の時間が必要―との観点から、段階的に増員する。全営業所を年1回は巡回指導できると見込む88人の達成を21年度中とする。
指導員の増員に伴う人件費などの負担は、営業所の数や車両の保有台数に応じて各業者に割り当てられている負担金の増額で対応する予定。同省自動車局旅客課は「巡回指導は安心安全の確保の根幹」とした上で、「指導員の教育を含め段階を踏んで人員を増やし、巡回指導の実効性を高めていきたい」としている。
配信1月3日
信毎Web
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180103/KT171229FTI090024000.php
軽井沢の事故後、国交省の監査人員が不足し、業者の監査が追い付かない実態が表面化した。同省は補完対策として、道路運送法を改正し、業者の負担金で運営する適正化センターを全国10運輸局ごとに設置。センターの指導員が悪質業者を同省に報告し、監査につなげる仕組みで、17年8月に始動した。
全国のセンターにいる指導員は同年11月末現在、33人。同省は軽井沢の事故を受け、全国4123事業者の5737営業所(17年6月時点)の全てを年1回は巡回する目標を掲げたが、現在の態勢では実現は困難という。
国交省北陸信越運輸局管内(長野、新潟、石川、富山の4県)を管轄する北陸信越貸切バス適正化センター(新潟市)の場合、指導員は現在2人。巡回を予定する134営業所(県内75営業所、17年5月時点)のうち、17年度中に巡回できるのは46営業所(県内20営業所)にとどまる。
17年10月に開いた同省と軽井沢の事故の遺族との意見交換会では、遺族側から「指導員確保の具体的計画を示してほしい」との声が出ていた。
同省はこれまで全国で実施された巡回指導の実績を基に、指導員の拡充計画をまとめた。質の高い指導員の確保には一定の時間が必要―との観点から、段階的に増員する。全営業所を年1回は巡回指導できると見込む88人の達成を21年度中とする。
指導員の増員に伴う人件費などの負担は、営業所の数や車両の保有台数に応じて各業者に割り当てられている負担金の増額で対応する予定。同省自動車局旅客課は「巡回指導は安心安全の確保の根幹」とした上で、「指導員の教育を含め段階を踏んで人員を増やし、巡回指導の実効性を高めていきたい」としている。
配信1月3日
信毎Web
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180103/KT171229FTI090024000.php