0001サーバル ★2018/04/05(木) 12:22:08.77ID:CAP_USER9
中国の「未来」を狙い撃ち、トランプ政権の関税リスト
Natasha Khan and Liza Lin
2018 年 4 月 5 日 02:59 JST 更新
米政府が関税対象とした産業用ロボットは、中国のテクノロジー産業成長の戦略分野だ
ホワイトハウスは中国製品1300品目に対する関税措置を発表した。中には、米国がまだ実際に輸入していない品目も含まれる。
500億ドル(約5兆円)相当の輸入品を標的とする関税の対象には、電子機器や産業機械、医薬品の原料といった重要な品目が含まれる。一方で大型航空機、電気自動車、ロボットなど、何年も先まで大きな輸出品とはなりそうにない品目もある。
こうした対照的な品目が含まれたリストは象徴的でもあり、同時に現実的なものでもある。「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」計画に基づき、ハイテク産業振興を目指す中国の野心に警告を発したものだ。
ナティクシスのアジア太平洋地域担当チーフエコノミストのアリシア・ガルシア・ヘレロ氏は「リストが標的とするのは未来の中国で、過去の中国ではない」と指摘。「中国にテクノロジー大国の座を奪われることを米政権が懸念するなら、これこそ取るべき手段だ」と述べた。
一例として、米通商代表部(USTR)が作成したリストには、電気モーターならびにリチウムイオン電池を動力源とする自動車が含まれている。これは電気自動車で世界トップに立とうとする中国の野心を狙い打ちにしたものだ。中国の自動車メーカーはまだ米市場で電気自動車を販売していないものの、中国政府は同セクターに多額の投資を行い、世界への販売を見据えている。
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある。中国は国内電池メーカーを保護するため、海外のサプライヤーを国内の電気自動車市場から閉め出している。トランプ政権の関税案は、米国で事業展開する中国電池メーカーに同様の足かせとなる可能性がある。BYDはコメントを控えた。
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある Photo: Patrick T. Fallon/Bloomberg News
産業用ロボットもリストに挙がった。産業用ロボットは中国テクノロジー産業の成長をけん引する戦略分野として台頭しつつある。中国は同業他社に追いつくため、ロボットを導入して工場を改善している。国際ロボット連盟(IFR)の昨年8月の報告によると、中国は2016年に8万7000台のロボットを新たに導入した。これは1つの国としては過去最高となる。家電大手の 美的集団 (ミデア・グループ)は同年、ドイツの産業用ロボットメーカー、クーカを買収し、ロボット工学や自動化技術を共同開発できると述べていた。
大型航空機や小型機、航空機およびヘリコプター用部品、航空宇宙ナビゲーションのオートパイロット、フライトレコーダー(飛行記録装置)も対象品目となった。中国は航空機器産業を育成する大々的な計画を掲げている。国産旅客機「C919」は昨年5月に初飛行を果たした。中国政府は国内の航空電子機器・部品メーカーが世界的な競争力を身につけることを望んでいる。
ワシントンDCのシンクタンク、戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ副所長は「現時点で大量輸出されていない一部品目については、将来そうした輸出が歓迎されないことを示す手段として対象に含まれたのではないか」とし、「関税案はおそらく、これらの部門で輸入拡大が容認されない限り、中国がそうした方向へ進むのを制止できる」との見方を示した。
一方、中国は自動車や航空機、大豆といった米の主要輸出品目に対する報復関税を打ち出した。米中がそれぞれ発表した関税はすぐに発動されるわけではない。
米国による対中関税案は、中国が世界的な輸出国となっている一部の分野も標的としている。対象リストには数ページに及ぶ医薬品成分の一覧も掲載された。
電子機器など機械装置は、16年の中国の対米輸出の半分近くを占めた。対中関税リストには「搾乳機」から「ウオータージェット加工機」、「菓子の加工・包装機」まで200余りの機械装置が挙げられた。
さらに、船舶と鉄道車両も対象となる。
米国は「国内経済に混乱をもたらす」ため除外した品目もあるとしている。関税を逃れたのは家具や寝具、おもちゃ、スポーツ用品、履物などで、16年には中国からの輸入総額4788億ドルの約14%を占めていた。
http://jp.wsj.com/articles/SB12117182476953123737504584143810926912086
Natasha Khan and Liza Lin
2018 年 4 月 5 日 02:59 JST 更新
米政府が関税対象とした産業用ロボットは、中国のテクノロジー産業成長の戦略分野だ
ホワイトハウスは中国製品1300品目に対する関税措置を発表した。中には、米国がまだ実際に輸入していない品目も含まれる。
500億ドル(約5兆円)相当の輸入品を標的とする関税の対象には、電子機器や産業機械、医薬品の原料といった重要な品目が含まれる。一方で大型航空機、電気自動車、ロボットなど、何年も先まで大きな輸出品とはなりそうにない品目もある。
こうした対照的な品目が含まれたリストは象徴的でもあり、同時に現実的なものでもある。「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」計画に基づき、ハイテク産業振興を目指す中国の野心に警告を発したものだ。
ナティクシスのアジア太平洋地域担当チーフエコノミストのアリシア・ガルシア・ヘレロ氏は「リストが標的とするのは未来の中国で、過去の中国ではない」と指摘。「中国にテクノロジー大国の座を奪われることを米政権が懸念するなら、これこそ取るべき手段だ」と述べた。
一例として、米通商代表部(USTR)が作成したリストには、電気モーターならびにリチウムイオン電池を動力源とする自動車が含まれている。これは電気自動車で世界トップに立とうとする中国の野心を狙い打ちにしたものだ。中国の自動車メーカーはまだ米市場で電気自動車を販売していないものの、中国政府は同セクターに多額の投資を行い、世界への販売を見据えている。
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある。中国は国内電池メーカーを保護するため、海外のサプライヤーを国内の電気自動車市場から閉め出している。トランプ政権の関税案は、米国で事業展開する中国電池メーカーに同様の足かせとなる可能性がある。BYDはコメントを控えた。
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある
中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)は米国で電動バスを生産しているが、一部の部品に関税が課される可能性がある Photo: Patrick T. Fallon/Bloomberg News
産業用ロボットもリストに挙がった。産業用ロボットは中国テクノロジー産業の成長をけん引する戦略分野として台頭しつつある。中国は同業他社に追いつくため、ロボットを導入して工場を改善している。国際ロボット連盟(IFR)の昨年8月の報告によると、中国は2016年に8万7000台のロボットを新たに導入した。これは1つの国としては過去最高となる。家電大手の 美的集団 (ミデア・グループ)は同年、ドイツの産業用ロボットメーカー、クーカを買収し、ロボット工学や自動化技術を共同開発できると述べていた。
大型航空機や小型機、航空機およびヘリコプター用部品、航空宇宙ナビゲーションのオートパイロット、フライトレコーダー(飛行記録装置)も対象品目となった。中国は航空機器産業を育成する大々的な計画を掲げている。国産旅客機「C919」は昨年5月に初飛行を果たした。中国政府は国内の航空電子機器・部品メーカーが世界的な競争力を身につけることを望んでいる。
ワシントンDCのシンクタンク、戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ副所長は「現時点で大量輸出されていない一部品目については、将来そうした輸出が歓迎されないことを示す手段として対象に含まれたのではないか」とし、「関税案はおそらく、これらの部門で輸入拡大が容認されない限り、中国がそうした方向へ進むのを制止できる」との見方を示した。
一方、中国は自動車や航空機、大豆といった米の主要輸出品目に対する報復関税を打ち出した。米中がそれぞれ発表した関税はすぐに発動されるわけではない。
米国による対中関税案は、中国が世界的な輸出国となっている一部の分野も標的としている。対象リストには数ページに及ぶ医薬品成分の一覧も掲載された。
電子機器など機械装置は、16年の中国の対米輸出の半分近くを占めた。対中関税リストには「搾乳機」から「ウオータージェット加工機」、「菓子の加工・包装機」まで200余りの機械装置が挙げられた。
さらに、船舶と鉄道車両も対象となる。
米国は「国内経済に混乱をもたらす」ため除外した品目もあるとしている。関税を逃れたのは家具や寝具、おもちゃ、スポーツ用品、履物などで、16年には中国からの輸入総額4788億ドルの約14%を占めていた。
http://jp.wsj.com/articles/SB12117182476953123737504584143810926912086