0001影のたけし軍団 ★2020/11/05(木) 09:46:16.45ID:xnXQJih09
欧州で新型コロナが再び猛威を振るっている。第1波の教訓を基に、市民一人一人が本気で生活様式を変貌させ、
国をあげて医療資源を調達、病床数や集中治療室病床数も倍増させたのに、だ。
慎重な封鎖解除も順調に進んでいたようにみえた。日本の100倍近い致死率の高さは、衛生観念や民度というような理由で説明できるものではないだろう。
日本を含む東アジアで、欧米に比して被害が極端に小さい現実に多くの研究者が注目している。
中でも、パンデミック前に日本からベルギーに赴任し、いったん帰国後再びベルギーで暮らす日本人医師の分析はとても興味深いものだった。
3〜4月の第1波で、ベルギーは単位人口あたりの死者数で世界一と汚名を拝した。しかし半年の間に、PCR検査能力は1日当たり7万件まで増強。
病床数や集中治療室数、人工呼吸器はもともと世界有数の充実度だったことから、第1波では医療崩壊に陥らずに乗り切った。
だが、10月からの第2波で、再び「世界一の感染率」と報じられるようになった。
9月時点で、政府は1日当たり新規陽性者を200人以下に留めたいとしていた。が、あっという間に広がり、現在は、1日に1万5千人以上のペースで増えている。
日本で言えば、毎日15万人の新規陽性者ということになる。今や医療の前線で戦う医師や看護師への感染拡大と集団的疲労という事態を招いてしまっている。
医療現場に、市民の間からボランティアが募られ、軍隊も動員されている。
2019年からベルギーのルーヴェン大学医学部に博士研究員として勤務する医師森英毅氏(37歳)は、慶応大医学部出身の消化器病専門医だ。
機能性消化管疾患・ピロリ菌感染症などに詳しい。
ベルギー赴任から半年もたたないうちに欧州が新型コロナの震央となったため、3月に急きょ家族とともに日本に戻った。
しかし、第1波が沈静化した6月にベルギーに戻った。
3人の子どもを育てながら、地元のラグビーチームにも参加し、地元社会にも積極的に関わる。
感染症専門医や公衆衛生の専門家は、欧州にも日本にも数えきれないほどいるが、歴史に残るこのパンデミックを、欧州と日本の両方で、医学と生活の両面から、つぶさに見つめる医師の視点は貴重だろう。
「欧州は日本に比べ衛生意識が低い、新型コロナウイルスは弱毒化したので怖くない、ヨーロッパでは検査を不必要に広げたから陽性者数をいたずらに拾っただけ…。こうした考えは間違っています」。
筆者の問いに答えて、森医師はこう断言した。実際にベルギーで暮らし、人々の行動変容を目の当たりにし、同僚の研究医らと意見交換して得た結論だ。
第1波の苦い経験から個人や社会、政治・行政が多くを学び、ベルギーの人々は新しい生活様式に適応し、
検査体制や医療資源の補強を短期的に達成してきた。おかげで第2波初期は病院や老人施設での感染対策がうまく機能し、入院者数や死亡者数が低く抑えられていた。
にもかかわらず、今や指数関数的な感染拡大となってしまった。
森医師は、ベルギーと日本での観察と分析を著書「コロナパンデミック―世界最悪の致死率のベルギーからの若き内科医のリポート」にまとめた。
その著書の中で、「感染症を考える際には、必ず感染症因子(細菌、ウイルス)と宿主(ヒト)因子の双方向を考える必要がある」と指摘している。
今回、このことについてさらに尋ねるとこう説明してくれた。「欧州での第2波の状況を考えると、ウイルスが弱毒化していると考えるのは難しい。
欧州と日本を含む東アジア全体での感染者数や死亡数の大きなギャップを見ると、ウイルス側の因子よりも、宿主であるヒトの遺伝子や免疫機能に著しい違いがあると考えるのが順当だ」
森医師は、著書の中で、以下のようないくつかの宿主因子の仮説を紹介している。
重篤化するケースで、免疫機構の過剰反応(サイトカインストーム)が起こることは、今では一般によく知られている。
森医師は、その原因としてヒト白血球抗原(HLA)やACE受容体などの遺伝子要因関与の仮説に言及している。さらに、粘膜の免疫防御反応をつかさどるIgA(免疫グロブリンA)の先天的欠損による免疫異常、
つまり選択的IgA欠損症が関与するという仮説も紹介。欧州人と、日本人を含む東アジア人の間で、選択的IgA欠損症の有病率に顕著な差異があることは医学的に分かっているという。
https://this.kiji.is/695996499058050145
国をあげて医療資源を調達、病床数や集中治療室病床数も倍増させたのに、だ。
慎重な封鎖解除も順調に進んでいたようにみえた。日本の100倍近い致死率の高さは、衛生観念や民度というような理由で説明できるものではないだろう。
日本を含む東アジアで、欧米に比して被害が極端に小さい現実に多くの研究者が注目している。
中でも、パンデミック前に日本からベルギーに赴任し、いったん帰国後再びベルギーで暮らす日本人医師の分析はとても興味深いものだった。
3〜4月の第1波で、ベルギーは単位人口あたりの死者数で世界一と汚名を拝した。しかし半年の間に、PCR検査能力は1日当たり7万件まで増強。
病床数や集中治療室数、人工呼吸器はもともと世界有数の充実度だったことから、第1波では医療崩壊に陥らずに乗り切った。
だが、10月からの第2波で、再び「世界一の感染率」と報じられるようになった。
9月時点で、政府は1日当たり新規陽性者を200人以下に留めたいとしていた。が、あっという間に広がり、現在は、1日に1万5千人以上のペースで増えている。
日本で言えば、毎日15万人の新規陽性者ということになる。今や医療の前線で戦う医師や看護師への感染拡大と集団的疲労という事態を招いてしまっている。
医療現場に、市民の間からボランティアが募られ、軍隊も動員されている。
2019年からベルギーのルーヴェン大学医学部に博士研究員として勤務する医師森英毅氏(37歳)は、慶応大医学部出身の消化器病専門医だ。
機能性消化管疾患・ピロリ菌感染症などに詳しい。
ベルギー赴任から半年もたたないうちに欧州が新型コロナの震央となったため、3月に急きょ家族とともに日本に戻った。
しかし、第1波が沈静化した6月にベルギーに戻った。
3人の子どもを育てながら、地元のラグビーチームにも参加し、地元社会にも積極的に関わる。
感染症専門医や公衆衛生の専門家は、欧州にも日本にも数えきれないほどいるが、歴史に残るこのパンデミックを、欧州と日本の両方で、医学と生活の両面から、つぶさに見つめる医師の視点は貴重だろう。
「欧州は日本に比べ衛生意識が低い、新型コロナウイルスは弱毒化したので怖くない、ヨーロッパでは検査を不必要に広げたから陽性者数をいたずらに拾っただけ…。こうした考えは間違っています」。
筆者の問いに答えて、森医師はこう断言した。実際にベルギーで暮らし、人々の行動変容を目の当たりにし、同僚の研究医らと意見交換して得た結論だ。
第1波の苦い経験から個人や社会、政治・行政が多くを学び、ベルギーの人々は新しい生活様式に適応し、
検査体制や医療資源の補強を短期的に達成してきた。おかげで第2波初期は病院や老人施設での感染対策がうまく機能し、入院者数や死亡者数が低く抑えられていた。
にもかかわらず、今や指数関数的な感染拡大となってしまった。
森医師は、ベルギーと日本での観察と分析を著書「コロナパンデミック―世界最悪の致死率のベルギーからの若き内科医のリポート」にまとめた。
その著書の中で、「感染症を考える際には、必ず感染症因子(細菌、ウイルス)と宿主(ヒト)因子の双方向を考える必要がある」と指摘している。
今回、このことについてさらに尋ねるとこう説明してくれた。「欧州での第2波の状況を考えると、ウイルスが弱毒化していると考えるのは難しい。
欧州と日本を含む東アジア全体での感染者数や死亡数の大きなギャップを見ると、ウイルス側の因子よりも、宿主であるヒトの遺伝子や免疫機能に著しい違いがあると考えるのが順当だ」
森医師は、著書の中で、以下のようないくつかの宿主因子の仮説を紹介している。
重篤化するケースで、免疫機構の過剰反応(サイトカインストーム)が起こることは、今では一般によく知られている。
森医師は、その原因としてヒト白血球抗原(HLA)やACE受容体などの遺伝子要因関与の仮説に言及している。さらに、粘膜の免疫防御反応をつかさどるIgA(免疫グロブリンA)の先天的欠損による免疫異常、
つまり選択的IgA欠損症が関与するという仮説も紹介。欧州人と、日本人を含む東アジア人の間で、選択的IgA欠損症の有病率に顕著な差異があることは医学的に分かっているという。
https://this.kiji.is/695996499058050145