例年3月末までには国内で初観測する黄砂が、今年は15日現在、国内59地点の全ての観測地点で観測されていない。
 1967年の統計開始以来、国内で初観測が最も遅かった72年の4月16日の記録に並ぶのはほぼ確実で、気象庁が本格的に飛来を予測する18日まで記録は伸びそうだ。

 黄砂はゴビ砂漠やタクラマカン砂漠など中国大陸の乾燥地帯で舞い上がった砂が、上空の風で運ばれてくる現象。

 気象庁によると、中国、モンゴルの観測所では今年3月ごろから、砂やちりが激しく吹き上げられ、上空に舞い上がる「砂塵嵐(さじんあらし)」は何度か観測されている。
 日本に到来していない理由については、担当者は「大気の流れが、砂塵嵐の発生地から日本に向かっていなかったため」と説明する。

 気象庁は、「大陸では、強風などで砂が舞い上がりやすい状態が予測される」として、4月18日午後9時には福井県付近までの西日本に飛来すると予想している。

 月ごとの黄砂観測日数の平年値(全国59地点の統計)は、3月が6・9日、4月が9・0日、5月が4・1日。年間では24・2日で、3〜5月に約8割が集中している。

 福井での観測では、50年間で最も遅い初観測は2014年の5月28日。これまでに観測された日の合計は、3月が計43日、4月が計84日、5月が計35日で、3〜5月で92%を占めている。

 配信 2017年4月16日午前7時20分

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