名大がカーボンナノベルト合成

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3005642801.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

名古屋大学の研究グループは炭素の原子がベルト状に連なり、夢の分子といわれる
「カーボンナノベルト」の合成に世界で初めて成功しました。

電気を通す性能や強度が非常に高く次世代の材料として研究が進められている
「カーボンナノチューブ」の作製をはじめ、半導体やLEDなどへの利用が期待されています。

カーボンナノベルトの合成に成功したのは名古屋大学大学院理学研究科の伊丹健一郎教授の研究グループです。
合成されたカーボンナノベルトは、48個の炭素原子が正六角形を作りながらベルト状につながった構造で、
直径が約100万分の1ミリと極めて小さいものです。

カーボンナノベルトは約60年前から理論上、合成できると言われ、
世界中の化学者が挑戦してきましたが、正6角形に結合した炭素原子を曲げると
大きなひずみができて不安定になるため合成できず、夢の分子と呼ばれていました。

研究グループは石油の成分の1つ、パラキシレンを材料として使い、10段階の化学反応を経て
輪っかのような状態から最後に正6角形の構造を作ることで合成に成功したということです。

カーボンナノベルトは電気を通す性能や強度が非常に高く次世代の材料として開発や研究が進められている
「カーボンナノチューブ」と構造が似ていることも確認されました。
カーボンナノチューブは、いまの作製方法では大きさや構造がバラバラなものが
混ざり合ってできてしまうため、研究グループはカーボンナノベルトに炭素原子を結合させていくことで、
性質が均一なカーボンナノチューブを合成できる可能性があるとしています。

カーボンナノベルトは、ことし中にも世界に向けて販売される予定で、
半導体やLEDなどへの幅広い利用が期待されるほか、これまでにない機能を持った
材料の開発にもつながると予想されています。

伊丹教授は
「新しい炭素の分子を生み出すことができたので、いままでにない性質や機能が発見されると思う。
これを使って性能の高いカーボンナノチューブを作れる日が来ることを夢に見ているし、
いろんな応用ができると思う」
と話しています。

04/18 18:58