東京・丸の内のOLから農業に転職、そして農家に嫁いだ女性が農業専門の婚活サイトを立ち上げた。千葉県柏市の岩立(いわたて)友紀子さん(30)。農業に興味がある女性と、嫁不足に悩む農家の男性の結婚を後押しするサイト「Raitai(ライタイ)」を3月に開設。岩立さんは「女性が農業に長く携わりたいなら、農家の嫁になるのが一番」と話す。

 柏駅から東に約2・5キロ。戸張地区の住宅街の外れで岩立さんは暮らし、敷地にはチンゲンサイなどを栽培するビニールハウスが並ぶ。農業を営む昌之さん(36)とは「農コン」で出会い、2014年8月に結婚した。

 「農家の嫁ってネガティブなイメージがある。でもそうではないと思う」。婚活サイトの開設に至った理由は、自身の経験にある。

 東京都出身。大学を出て証券会社に就職したが、机で事務を続ける毎日に疑問を持ち、1年半で辞めて農業の世界に飛び込んだ。10年10月から宮崎県の農業法人で1年間研修。東京に戻って1年後の12年10月、柏市の畑5千平方メートルを借り、無農薬でカブやレタス、大根などの野菜を作った。

 ただ収入が安定せず、体力的にきついなど農業の大変さを身に染みて感じた。昌之さんとの結婚で安心できる場所を得たという。

 サイトを作る直接のきっかけは、女性相談員を務めた農業専門の就職相談会で的確なアドバイスができなかったからだという。「農業は大変なので安易に勧められなかった。女性がせっかく農業に興味を持ってくれたのに明確な道筋を開いてあげられず、もどかしさが残った」と話す。

 女性が農業に長く関わるには――。自分のように「農家の嫁」という選択肢があることを知ってもらおうと考えた。でも、農家の男性はシャイで素朴な人が多い。それなら「1対1で話せる仕組みがあれば」。全国規模で出会える婚活サイトの運営を思いついた。

 サイトの制作費は約150万円…

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