>>513の続き。

>  虐殺された中には無論不逞鮮人が多かつた、けれどもまた順良分子の雑つてゐたは事実に相違な
> い、不逞鮮人は止むを得ずとするも、順良な鮮人こそ実に気の毒なもの、実際どう考へても浮ばれ
> ない話し、なれども内地人の虐殺されたものも、おそらく順良鮮人以上であらう。
>  モト/\虐殺の動機は不逞鮮人が造つた、即ち不逞団の行為に激昂の余り、不逞団を撃つべく復
> 讐すべく、更に兇暴を働いたのが自警団員であるは言を俟たないのである、そこで順良分子の鮮人
> は、此時此場合、全く災難に遭ふたものと、さう諦めるよりほか途がない。
>  順良鮮人にして虐殺されたは全く災難といふの外はない、けれども犬死ではなかつた、犬死では
> なく実に貴き犠牲であつた、そは従来日鮮人間の融和は本当のものでなく、鮮人は止むなく服従し
> てをつたらしく、折もあらば敵対行為に出んとする一部鮮人の為め、多数の犠牲者を出し大ひに覚
> 醒を促がし、再び敵対行為の不利不得、大失敗を繰り返さゞるやう、必ず覚醒して心から底から、
> 日鮮融和の有利得策であるを大ひに謳歌する事となるであらう。
>  多くの加害者は悉く捕へられ、それぞれ法に依つて厳重所分され、今更のやう大ひに悔悟し、全
> 国民は悉く哀悼の意を表し、大ひに同情の涙を搾ると倶に、残る多くの鮮人をして、如何にして最
> 大幸福を得せしめ、また如何にして安堵せしめんとの真実心を起さしめるやう、不思議にさうなつ
> て来たは、全く今度の犠牲者を出した、即ちそれが為ではあるまいか。