■榎木英介「嘘と絶望の生命科学」(文春新書)より

>今回の小保方氏をめぐる騒動は、日本の大学院、とくに
>バイオ系の大学院の問題点を世間にさらけ出したと言っても良い。
> ここではっきり言っておこう。小保方氏の問題は
>氷山の一角と言っていい。小保方氏の問題が明らかになる前から、
>日本の大学院の根っこは腐りかけていたのだ。

>日々ピペットを握る大学院生や若手研究者のことを揶揄して
>「ピペド」と呼ぶことがある。「ピペット土方」もしくは
>「ピペット奴隷」の略称だ。2ちゃんねる発のスラングで、
>今はバイオ研究者の間で広く使われているが、一般には
>聞きなじみの無い言葉だろう。
> では、なぜ若手バイオ研究者は土方や奴隷と揶揄されるのか。
> それは、若手研究者たちが将来の展望も無いまま、
>日々半ば強制的にピペットを握らされ、単純作業のような
>実験に励まざるを得ない状況に追い込まれることが、
>あたかも奴隷みたいにみえるからだ。