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[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、現行の暫定予算の期限が今週末28日に迫るなか、メキシコとの国境の壁建設費用を新たな予算に盛り込むことを先送りにする可能性を示唆した。

民主党との対立の要因が取り除かれ、9月30日までの新たな予算が成立せずに政府機関が閉鎖する事態は回避される可能性が出てきた。

ホワイトハウスによると、トランプ氏は記者団に対し、10月1日から始まる2018会計年度の予算案まで、国境の壁建設の財源を求めるのを待つ姿勢を示した。

壁の建設に反対する民主党指導部のチャック・シューマー議員は24日夜の声明で、「超党派の交渉担当者はこれで残りの問題に関する協議を続けられる」と語った。

同議員はこれより先、ホワイトハウスが予算案を受け入れる条件として壁建設の費用計上を提示するまでは、議会での共和党との調整は順調に進んでいたとの認識を再度示し、政権を批判していた。

新たな予算は、上院(定数100)での可決に60の賛成票が必要。上院の共和党議席は52で、民主党の一部が支持しなければ可決できない。

期限の28日中に新たな予算案で合意がなければ、連邦政府機関の一部は29日に閉鎖に追い込まれ、数十万人の職員が一時帰休に入ることになる。影響を受けるのは国立公園や連邦政府の資金で賄われている医学研究などで、法執行機関など重要性が高い機関は業務を継続する見通し。

トランプ大統領はこれまで、メキシコ国境の壁は不法移民や違法薬物の流入阻止に必要だと主張してきた。同氏は24日、ツイッターに投稿し、「壁が建設されなければ、薬物を巡る状況を改めることは絶対できない。壁は建設されるだろう」と強調した。

スパイサー大統領報道官はこの日、メキシコ国境の壁建設は依然として政権の優先課題だと強調。

「大統領はこの予算継続決議(CR)で2つの優先事項があると言明してきた。1番目は国防費の増額で、2番目は国土安全保障と(メキシコ国境の)壁だ」と述べた。

同氏は、議会との調整の方向性は正しいと確信しており、近く何らかの発表がある見通しだと語った。ただトランプ氏が壁の建設費用を含まない予算法案に署名するかどうかには言及しなかった。

2017年 4月 25日 2:37 PM JST