■そして、日本が北朝鮮危機で得たものは? 結果から言えば、内閣が危機を回避した。森友学園問題や不適切な発言で辞任した大臣の任命責任問題等

安倍内閣を揺るがす事態が頻発したタイミングでの北朝鮮危機。安倍首相が得意とする「北風外交」により、国民の関心を一気に国会から逸らすことに成功した。
 ただ今回の「危機」により日本が得た最大の利は、日米安保の効力を確認できたことである。

 就任前は、日米安保の見直しにまで踏み込むかのような言葉を発していたトランプ大統領。
 安倍首相は、どの国の首班よりいち早くアメリカに駆けつけ、日米の信頼関係について確認を行ってきた。そこに今回の北風である。アメリカとの軍事的な関係性をより一層深化させる一方で、
安全保障関連法に基づく実任務として、太平洋沖を航行するアメリカ軍補給艦の防護に付いた。これは南スーダンでのPKO活動における「駆けつけ警護」に続く安保法適用事案で、
今後のアメリカ軍との協力体制を維持するうえでの大事な実績となる。

 韓国本土における米韓軍事演習は毎年行われ、それに対し北朝鮮は毎年反発している。ただ今回はそこに「トランプ大統領」という新たなカードが加わった。
そのカードの効力を、関係する周辺国が確認をした。そして、それぞれの国が必要なものを得て終息した。言わば、誰も損をしていない一件であったと言える。

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