http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/QandA.htm
Q1:「さけ」と「ます」の違いは?
 結論から言いますと、生物学的に明確な区分はありません。

 サケという名の魚はいますが、「ます」というのはサクラマス、カラフト
マス、ニジマスなど複数の魚を総称しており、かつ、そのますと称される
魚だけに共通するようなサケとの違いはありません。

 英語では「サーモン」と「トラウト」という呼び方がありますが、欧米
では海に降りるものをサーモン、川など淡水で生活するものをトラウトと
している場合が多く、近年は日本でもサーモン=さけ、トラウト=ますと
認識している例も一部でみられるようです。

 日本でなぜサケとマスという呼び分けができたかについて一説を紹介
します。

 日本で昔からそ上が見られたさけ・ますはサケとサクラマスであり、
当時はサケとマスで区別には十分でした。しかし蝦夷地の開拓が進むと
道東方面に別種のさけ・ますが分布しており、サクラマスとカラフトマス
という呼び分けが必要になりました。

 さらに北洋さけ・ます漁業が始まると日本には分布しないものも漁獲
され、漁業者はそれらをベニマス、ギンマスなどと呼び分けました。この
時点ではサケだけが特別で、その他はすべて○○マスで統一されていま
した。

 しかしながら、流通させるに当たってマスよりサケの方が高級イメージ
があったので、ベニザケ、ギンザケという呼び名で販売されるように
なり、それが定着して今日に至っているということです。

Q5:サケの身はなぜピンク色なのですか?
サーモンの身のピンク色はアスタキサンチンというカロチノイド系色素によ
るものです。

 これは、甲殻類などに多く含まれており、エビやカニの殻、鯛や金目鯛
の表皮の赤色も同じです。

 これらは、甲殻類のプランクトン(アミ類もその一つです)を食べる
ことで、アスタキサンチンが蓄積され、身などが赤っぽく(ピンク色)
なります。
Q6:サケは白身魚って本当ですか?
 本当です。赤身魚の赤い色はミオグロビンという肉の色素タンパク質に
よるものです。

 その役割は運動するとき必要な酸素を筋肉にたくさん蓄えるというも
ので、常に泳ぎ回るマグロやカツオが「赤身魚」の代表と言えます。

 サケの赤い色は餌に含まれるアスタキサンチンという栄養素によるも
のです。卵(イクラ)の赤い色も同じで、サケが成熟して川に昇ると餌
を食べなくなり、さらに栄養素が卵に移行するため、身は徐々に白くな
ります。このことからもサケは白身魚だということがわかります。