タバコの煙には、4,000種類の化学物質が含まれています。その中には、何と200種類以上の有害物質が含まれ、発がん性物質は50種類以上にのぼります!

有害物質のなかでも、よく知られているのは、ニコチン、タール、一酸化炭素です。

そのほかにも、ペンキ除去剤に使われるアセトンや、アリの駆除剤に含まれているヒ素、車のバッテリーに使われているカドミウムなど、体に大変有害な物質がタバコの煙に含まれています。

ニコチンには強い依存性があります

喫煙者の中には、「タバコを吸うと落ち着く」「ホッとする」といった効果を感じる人が少なくありません。
でも、それって本当なのでしょうか?

実は、タバコを吸って落ち着くのは、体内のニコチンが切れて「イライラする(ストレス)」ところに、
タバコを吸ってニコチンを取り込んだことで、イライラが解消されただけなのです。
ニコチンの欠乏と補給に左右される症状は、ニコチン依存症によるものです。

ニコチン依存症についてもっと知りたい人は…step2タバコがやめられない理由

ニコチンは依存性の強い物質です。
私たちの周りには、お酒やコーヒーなどの嗜好品があり、
それぞれアルコール、カフェインといった依存性物質が含まれていますが、適量であれば健康に問題はありません。
ところが、ニコチンは危険薬物のヘロインやコカインよりも依存の危険が高く、
しかもニコチン依存症になってしまうと、使用を中止するのは非常に難しくなります。
いつでもタバコをやめられると思っていたのに、なかなかやめられないのは、このニコチン依存症が原因なのです。

自分1人で禁煙を続けるのは限界があります。
今は、さまざまな禁煙方法があり、病院の禁煙外来で医師と話し合いながら禁煙を続けていく方法もあります。
自分に合った禁煙方法を選んでトライしてみましょう。

ニコチンの強い依存症

ニコチンはヘロインと同じくらいやめるのが難しい

各使用者のなかで依存症になる人の割合

ニコチン>ヘロイン>コカイン>アルコール>カフェイン

依存症になった人での禁断症状の強さ

アルコール>ヘロイン>ニコチン>コカイン>カフェイン

依存症になった人でのやめることの難しさ

(アルコール=コカイン=ヘロイン=ニコチン)>カフェイン

タバコの害は肺がんだけ? いいえ、全身の病気を引き起こします

タバコの煙には50種類以上の発がん性物質が含まれており、
肺がんをはじめ、食道がん、胃がん、子宮頸がんなど、さまざまながんを引き起こすことがわかっています。

しかもタバコの煙は、人への発がん性が証明されている『発がん物質第1群』に分類されています。
この1群には、ヒ素やダイオキシン、カドミウム、アスベスト(石綿)といった深刻な健康被害を及ぼす物質も含まれています。
これらと同じ分類ということからも、タバコの煙がいかに危険であるかが、よく分かりますね。

タバコの害は、喫煙者の周囲にも及びます。
タバコを吸わない人でも、喫煙者によるタバコの煙を吸ってしまうことで(受動喫煙)、がんのリスクが高くなるのです。

自分のためだけでなく、家族や周囲の人たちの健康のためにも、禁煙を考えてみましょう!