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http://fngsw.hatenablog.com/entry/2017/04/19/231153

安倍首相の辞書はどれだ! 「そもそも」を「基本的に」と書く辞書を探す旅 【追記】

「でんでん」でおなじみの安倍晋三首相が、4月19日の衆院法務委員会で、
「『そもそも』を辞書で調べたら、『基本的に』という意味もある」という旨の答弁を
したそうです(下記事参照)。

本稿では、「そもそも」に「基本的に」という意味があるのかとか、「そもそも」が
そもそも「初めから」という意味なのかなどいうことは、今回の答弁での文脈的意味も含めて
一切考えず、単に「『そもそも』を引いたら『基本的に』という意味が書いてある辞書はどれだ」
ということだけ調べます。

冒頭の朝日新聞デジタルの記事では、『広辞苑』『日本語大辞典』『大辞林』『日本国語大辞典』には
「そもそも」を「基本的に」と説明しているものはないと書いています。それぞれの最新版に当たって
確認しましたが、たしかにそのようです。


続けて、主要な中〜小型辞書も引いてみましたが、「そもそも」を「基本的に」と語釈しているものは
見つけられませんでした。念のため列挙しますと、『大辞泉』『新潮国語辞典』『角川国語辞典』
『旺文社国語辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』『講談社国語辞典』『新明解国語辞典』
『角川新国語辞典』『新解国語辞典』『現代国語例解辞典』『新潮現代国語辞典』『三省堂現代新国語辞典』
『福武国語辞典』『集英社国語辞典』『学研現代新国語辞典』『精選国語辞典』『角川必携国語辞典』
『明鏡国語辞典』『類語大辞典』『小学館日本語新辞典』『ベネッセ表現・読解国語辞典』に当たっています。

ということは、古い辞書かもしれません。主だったところから、遡るように調べていきましょう。
とりあえず、それぞれの最も新しい版を引いています。『学研国語大辞典』、『国語大辞典言泉』、
『旺文社詳解国語辞典』、『広辞林』、『角川国語大辞典』、『大言海』、『明解国語辞典』、『辞海』、
『大日本国語辞典』、どれも違います。戦前に突入してしまいました。『辞苑』、『新式辞典』、『言泉』
にもありません。『日本国語大辞典』第2版における「基本的」の初出例は1926年となっています。
『言泉』は1921〜29年の刊行ですから、これより遡っても出てきそうにありません。仮にあったと
しても安倍首相が使っているものではないでしょう。う〜ん、わかりません。