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「一帯一路」初の国際会議 あさってから北京で開催
5月12日 11時57分
中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした初の国際会議が14日、北京で始まることになっていて、
習近平国家主席は到着した各国の首脳と精力的に会談を行い、構想の実現に向けて協力を取り付けたい考えです。

「一帯一路」は、習近平国家主席が提唱したアジアとヨーロッパをつなぐ巨大な経済圏構想で、中国政府は14日からの2日間、これをテーマにした初の国際会議「一帯一路フォーラム」を北京で開催します。

中国政府によりますと、会議には29か国の首脳と130余りの国の代表団や、70余りの国際機関などが参加するということです。

メイン会場の1つとなる会議場の周辺には武装した警察官が配置され、厳重な警戒態勢が敷かれています。

すでに11日、ベトナムとウズベキスタンの首脳が北京入りし、習主席はこのうちベトナムのクアン国家主席と会談を行いました。

また、会議の前後にも各国の首脳と精力的に個別の会談を行って、みずからの構想の実現に向けて理解と協力を取り付けたい考えです。

中国政府は「一帯一路フォーラム」をことしもっとも重要な外交イベントと位置づけています。

会議の最終日には共同声明を発表する予定で、中国が主導する国際会議で貿易や投資の拡大に向けどこまで具体的な道筋が示されるのか、注目されています。

岸田外相「地域の持続的発展に資する議論を」
岸田外務大臣は閣議のあと記者団に対し、政府からは松村経済産業副大臣が自民党の二階幹事長に同行してフォーラムに出席するとしたうえで、「『一帯一路』構想が、地域の持続的発展に資するものかどうか、従来から関心を持って見てきている。
フォーラムが、地域の持続的な発展に資するものになるような議論となることを期待している」と述べました。

米政府が代表団派遣へ
アメリカ政府は、中国が提唱している巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした初の国際会議に代表団を派遣することで合意し、貿易の不均衡の是正を求める一方で、米中両国の経済の協力関係を深めていく姿勢を強調しました。

アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席は、先月、アメリカで首脳会談を開き、100日計画を策定して、貿易の不均衡の是正に向けた具体的な道筋を示すことで一致しました。

これについて、アメリカ政府は11日、中国側によるアメリカ産の牛肉やLNG=液化天然ガスの輸入で合意するなど、農業や金融サービス、それにエネルギーに関する課題に取り組むと発表しました。

また、中国が提唱している巨大経済圏構想「一帯一路」の重要性を認めたうえで、今月14日から始まる初の国際会議に代表団を派遣することでも合意し、米中両国の経済の協力関係を深めていくとしています。

そのうえで、100日計画に続いて1年計画についても議論を始めることにしていて、ことし夏にアメリカで会合を開くとしています。

ロス商務長官は11日、記者団に対し、トランプ大統領が北朝鮮の核・ミサイル問題で、中国が協力するなら貿易面で譲歩する考えを示していたことについて、「協議の中で北朝鮮について言及はなかった」と述べ、貿易赤字の削減に努める姿勢を強調しました。

「一帯一路」とは
「一帯一路」は中国の習近平国家主席が4年前に提唱した、アジアとヨーロッパを中心に陸上と海上で東西をつなぐ巨大な経済圏の構想です。

陸上では中国からユーラシア大陸を通ってヨーロッパまでを結ぶほか、海上でも東南アジアからアフリカ、それにヨーロッパの港をつなぎ、物流ルートなどを整備するとしています。

中国は「一帯一路」を国家戦略と位置づけ、習近平国家主席や李克強首相らが経済圏に含む国々を訪問して、高速鉄道の建設や投資の拡大を表明するなど実現に向けた取り組みを強めてきました。

また、構想を実現するため、インフラ整備や資源開発などに中長期的な投資を行う「シルクロード基金」を独自に設立したほか、関係国がインフラ整備などの資金を確保できるよう国際金融機関のAIIB=アジアインフラ投資銀行の設立も主導しました。

「一帯一路」が目指す経済圏は、人口およそ44億人で、GDP=国内総生産の合計は21兆ドルに上ると言われています。