サイクロン 50万人死亡も WMO、過去の災害調査
日本経済新聞:2017/5/18 13:00
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H1G_Y7A510C1CR0000/

 【ジュネーブ=共同】世界気象機関(WMO)は18日、異常気象に起因する過去の自然災害被害を調査した結果、一つのサイクロン(熱帯低気圧)で最大50万人が死亡、竜巻では同1300人が犠牲になるなど甚大な人的損失をもたらすことが改めて確認されたと発表した。

 WMOは1873年に設立された前身の国際気象機関からのデータを保有しており、今回、熱帯低気圧、竜巻、雷、ひょうによる人的被害を調べた。
地球温暖化に伴い世界的に自然災害が増加する中、過去の被害を参考に早期警報や予測の向上に役立てるとしている。

 熱帯低気圧の最大被害は、1970年11月に東パキスタン(現バングラデシュ)が受けた推計30万〜50万人。
竜巻は、89年4月のバングラデシュの推計1300人が最大だった。

 雷では、94年11月にエジプトで落雷により石油タンクの火災が発生した際の469人が最も多いが、落雷の直接の被害ではローデシア(現ジンバブエ)で75年12月にあった21人が最悪。
ひょうは、1888年4月にインドで「ガチョウの卵やオレンジのようなひょう」が降り、246人が亡くなったのが最大だった。

 WMOは、熱波や寒波、干ばつ、洪水についても調査を進めるとしている。