ソース元、毎日新聞2017年5月20日 07時10分
https://mainichi.jp/articles/20170520/k00/00m/020/183000c

経営再建中の東芝は19日、半導体メモリー事業の売却先を選ぶ2次入札を締め切った。

米ファンドのベインキャピタルが応札する一方、官民ファンドの産業革新機構などによる「日米連合」は入札参加の意向を示したものの、金額などの条件は後日提示することにした。

東芝は2次入札で売却先をある程度、絞り込みたい考えだったが、東芝と協業する米ウエスタン・デジタル(WD)が売却に反対するなど先行きは不透明で、選定作業は難航している。

ベインキャピタルは応札

革新機構と政府系金融機関の日本政策投資銀行は、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と組み、日本企業に出資を募って2兆円規模で入札する案を描いてきた。

だが、慎重な日本企業が多く、出資の配分や役割分担など具体的な体制づくりが2次入札までに間に合わなかった。今後、調整を急ぐ方針だ。

一方、ベインキャピタルは韓国半導体大手のSKハイニックスと連携するとみられ、革新機構にも連携を呼びかけているという。このほか、1次入札に参加した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業や、米半導体大手のブロードコムなども参加した模様だ。

各企業は単独では資金が十分に用意できなかったり、半導体のシェア(市場占有率)が高くなって独占禁止法にかかる可能性があったりするため、他企業と連携することになりそうだ。

応札企業が注視するのが、東芝と三重県四日市市の工場を共同運営し、他社への売却に反対しているWDの動きだ。今月15日には、WDが売却の差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てる強硬措置に出た。

WDの主張が認められれば、売却自体が白紙に戻りかねない。