新潟県長岡市山古志地域の「やまこし復興交流館おらたる」にある灰皿で野鳥が卵を抱き始めた。
専門家によると、シジュウカラで「カラスやネコ、ヘビなどの天敵よけに人間を使っている可能性がある」という。

灰皿はおらたるの事務所近くの屋外に設置され、職員やコミュニティーバスの運転手などが使っていた。
復興支援員の佐野玲子さん(61)は「1週間ほど前から中にコケがあるのに気づいたが、誰かが臭い消しのために入れているのかと思った」と話す。

18日朝に喫煙した人が灰を落とすと、中から「ジュッ、ジュッ」という鳴き声がして、営巣を発見。卵は8個あり、2羽が協力しながら育てているという。

山階鳥類研究所によると卵は1日1個ずつ産み、産み終わると抱卵を始める。2週間ほどでほぼ同時期に孵化(ふか)し、20日ほどで巣立ちする。
人はさほど怖がらないが、しつこく巣の中をのぞくなどすると、抱卵を放棄する可能性もあるという。

地域おこし協力隊として3月に着任した和田奈都子さん(22)は「無事に育つよう見守ります。巣立ちまでに私も独り立ちできれば」と話した。(伊丹和弘)

灰皿の中に巣を作ったシジュウカラ=19日、長岡市山古志地域
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配信 2017年5月20日06時24分

朝日新聞デジタル
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