>>114

もちが禁止されてから10年が経った
http://anond.hatelabo.jp/20161129165629

もう今では、餅を販売することも、自宅で作ることも所持も許されない。
違反した人には、懲役3年以内の刑に処される。 禁止された理由は簡単。
過去に多くの人が餅で喉を詰まらせ、餅が人を殺してきたからだ。

俺自身もまさか餅が規制されるとは思ってなかったが、様々な運動や事件が
(餅規制派にとっては)うまくハマってしまい、餅が規制されることになった。

きっかけは、ある自治体が住民に対して、野外での餅つきを禁止したことだった。
これは、表向きは集団食中毒を防ぐため、とのことだったが、明らかに餅による
死亡事故の責任を負いたくない自治体の責任逃れだと批判が集まった。

この時の世論は、「餅つきは日本の伝統。できないのは残念だ」という思いが
ほとんどであった。 このニュースが全国ニュースで流れ、はてぶで炎上し始め、
餅つき禁止はおかしい、伝統を守れ、という意見が流れ、抗議集会が各地で
開かれることになった。 趣旨としては、餅つきという日本の伝統を守り続ける
ために、衛生管理をしっかり行い、みんなで餅つきをして安全性をアピールしよう
と言ったものであった。 しかしながらこの集会が最悪の結果になってしまった。
全国20か所で行われた餅つき会において、餅で喉を詰まらせた死亡事故が15件発生
してしまった。

この最悪な事件は、先のニュースもありショッキングな事件として大々的に報道された。
このあたりから、世論がおかしくなり始めた。 まず餅の喉詰まらせによって家族を
失った被害者団体が結成され、とても大規模な人数となった。 毎年食べ物で喉を
詰まらせて亡くなる人は5000人弱いるが、そのうちの20%近くは餅によるものである。

それが毎年起こるのだから、被害者団体が大規模になるのも、当然である。
被害者家族たちは、 「餅を詰まらせて亡くなった時は、とても残念に思った。
餅を食べる際の不注意が原因なので、仕方ないと諦めていた。」 「今思えば、
餅を食べなければ死ぬことはなかった。こうした憤りをどこにもぶつけることが
できず、当時は苦しんだ」 という声に共感を覚え、どんどん被害者団体に加わった。

それとは別に、政界の方でも、与党への支持率の高さに少しでも攻撃材料が欲しい
野党らが、こんにゃくゼリー規制の時の議論を引き合いに出し、国会審議に持ち込んだ。
趣旨としては、「なぜこんにゃくゼリー規制の際に、30倍もの危険性を持つ餅を
規制しなかったか。」とのことだった。

海外では餅は、サイレントキラーと恐れられ、内閣府の食品安全委員会が発表している
「食品による窒息事故についてのリスク評価」でも、お餅は最も危険な食品のひとつ
とされており、お餅はこんにゃくゼリーの30倍、飴の5倍ほど窒息事故の頻度が高い
ことが知られている。 こうした危険性を認知していたにも関わらず、規制に乗り出さ
なかったのは怠慢だと攻撃し始めた。

これらの出来事をきっかけに、「伝統か人命か」という議論が巻き起こることとなった。
被害者団体は、「伝統を守るためなら人を殺してもいいのか?」をキャッチフレーズに、
餅規制の署名を100万人規模で集め、国会へ提出された。 どんどん大きな動きとなって
いく中、与党では何かしらの餅に対する規制を検討すると発表した。

当初の案では、特に死亡事故が多い10歳以下の子供、60歳以上の老人を対象に、
家族等がいない状況での単独での摂取を禁止する方向であった。
また餅パッケージの1/3以上に危険である旨を表示することも義務付け、
餅税などを検討していた。