初任給引き上げの動き広がる 就職活動の売手市場で
5月21日 11時27分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170521/k10010989561000.html

新卒の学生などの採用で売手市場が続くなか、企業の間で初任給を引き上げる動きが広がっています。
このうち東京都内のIT企業は、来年入社の社員から能力に応じて初任給を最大でおよそ35%引き上げることにしました。通常の初任給は22万5000円ですが、学生時代の研究成果やビジネスなどの活動経験があれば、最高で30万5000円となり、平均的な5年目の社員と並ぶ水準です。

会社説明会では、人事担当者がこの新たな人事制度を学生にPRしていました。説明会に参加した男子学生は「年功序列の会社が多い中で、新しいことに取り組んでいる姿勢の表れで、働く意欲も高まると思う」と話していました。
この会社の正岡聖一人事本部長は「他社と差別化を図り優秀な人材を確保するため導入した。この制度を起爆剤にして、今いる社員の成長にもつなげたい」と話していました。

民間の研究機関「労務行政研究所」が先月行った調査によりますと、回答した大手企業228社のうち、およそ4割の企業が初任給を引き上げていました。
労務行政研究所の原健編集次長は「人材獲得が厳しい商業や外食、建設業などで積極的に引き上げる動きが目立っている」と分析しています。