【リヤド時事】トランプ米大統領は21日、訪問先のサウジアラビアの首都リヤドで開催されたイスラム諸国指導者との国際会議で演説した。
この中でテロや過激主義に立ち向かう必要性を訴えた上で「これは異なる信仰間、異なる宗派間、異なる文明間の戦いではない。善と悪との戦いだ」と強調、
過激派組織「イスラム国」(IS)打倒などを念頭に連携を呼び掛けた。会議にはイスラム圏50カ国以上から、首脳や閣僚が参加した。
 トランプ氏は「われわれの目標は、過激主義を撲滅し、子供たちに希望ある未来をもたらすという目標を共有する諸国による連合の形成だ」と表明。
「われわれは他国の人々に指南するためではなく、共有する利害と価値に基づいたパートナー関係を提示するため、ここに来た」と語った。
 一方で、中東諸国は米国の力に依存するのではなく、「どのような未来を望むのか、自分で決めなければならない」と指摘。「善の力が結束して強力になったとき、
そして皆さんが公平に負担を分かち合ったときにだけ、悪を打ち負かすことができる」と述べ、それぞれの国による取り組みを促した。
 さらに、イランを名指しして「テロリスト、武装勢力、過激派集団に武器や訓練を提供し、地域の破壊と混迷を拡散している」と非難。
イランの支援を受けたシリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑を挙げ、「責任ある国家はシリアの人道危機終結とIS撲滅、そして地域の安定回復に取り組まなければならない」との決意を示した。 
 トランプ氏は1月の就任後、テロ防止策としてイスラム圏の一部諸国からの一時入国禁止を盛り込む大統領令に署名。
連邦地裁による差し止め決定にも法廷で徹底抗戦する構えを見せている。初外遊でイスラム圏諸国との会議に出席し、
連帯を打ち出すことで「反イスラム」イメージの一掃を狙ったとみられる。(2017/05/22-01:31)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052200005&;g=int