Web東奥 5/21(日) 20:19配信

 津軽鉄道(本社・青森県五所川原市)が所有する本州最北端の転車台が21日、約30年ぶりに復活した。中泊町の津軽中里駅で行われた完成式典には全国各地から鉄道ファンらが集まり、人力で転車台が動くと感嘆の声が上がった。

 転車台は列車を回転させ進行方向を変えるもので、津鉄は同駅と津軽五所川原駅に計2台所有しているが、車両の方向転換が不要となった1988年ごろからは使われていない。津軽鉄道サポーターズクラブ(高瀬英人会長)が津軽中里駅の1台を修復して地域おこしをしようと、クラウドファンディング(CF)で補修費の募金を企画。約190万円を集め、4月から修復作業をしていた。

 この日はCFに協力した「パトロン」約70人を含む計約300人が集まった。高瀬会長が「みなさんのご支援、ご列席に感謝します」とあいさつし、津鉄の澤田長二郎社長も協力に感謝を述べた。

 転車台に30.7トンのラッセル車が汽笛を鳴らして乗り上げると、会場からは大きな歓声が上がり、最初に中泊町の濱舘豊光町長ら来賓が、この日取り付けられたばかりのレバーを押して回転させた。パトロンたちも手押し体験やラッセル車の乗車体験を楽しんだ。

 旅行でストーブ列車に乗ったことをきっかけにCFに参加した主婦の西村朋美さん(50)は神奈川県葉山町から駆けつけた。手押し体験では「思ったよりも重くて、ぐっと力を入れて押した」と笑顔に。ラッセル車が好きで、自身の誕生日プレゼントのつもりで3万円寄付をしたという福島県の会社員住山陽子さんはラッセル車に乗り込んで転車台で一回転。「大変貴重な体験。とても滑らかに動いていた」と興奮気味に話した。

 今後の転車台の活用について、高瀬会長は「団体客などを中心に手押し体験が観光資源になれば」と期待を寄せた。


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