三万年前には海を渡れた
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/umiwata.html

 一方、神津島産黒曜石の最古の利用例は、東京都府中病院敷地内で発掘調査された武蔵台遺跡Xa文化層にあることが、藁科博士らの蛍光X線分析によって明らかとなった。
九点の分析試料は、和田峠七点・麦草峠一点・神津島一点という産地構成をみせた。
立川ローム層の下部の武蔵野台地X層は、後期旧石器時代初頭にあたり、三万年前をさかのぼる年代が与えられる。

 三万年を遡る頃から、海を越え、神津島ブランドの黒曜石が用いられていたとは驚きである。
おそらく海外の考古学研究者の常識からすれば、一部オーストラリアへの移住の問題を除けば、旧石器時代に海を越えたなどというこの結果は、すぐには信じ難いものかもしれない。
しかしこれは進歩した日本の考古理化学が導いた紛れもない成果なのだ。