■上毛かるたは盤石

県立図書館(前橋市日吉町)が、「もうグンマを知らないとは言わせない! 『おしえて!ぐんまちゃん』」と題し、
郷土に関連した本や資料約1400点をそろえたコーナーを開設した。

高崎市在住の井田ヒロトさんの人気漫画「お前はまだグンマを知らない」のヒットにあやかってか、
県内書店も郷土本に力を入れ、本を通じて群馬を知ろうという動きが広がっている。 

県立図書館では、書庫に収蔵する資料の有効活用の狙いもあって始めた、と説明。
県内の歴史資料やNHK大河ドラマ「真田丸」などの関連書を始め、尾瀬などの写真集、県出身の詩人、
萩原朔太郎や詩、絵で優れた作品を残し17歳で早世した山田かまちに関する資料やグルメガイド、料理本なども並ぶ。
同図書館は漫画の貸し出しはしていないが、井田さんの「お前−」を特別に購入し、貸し出しも行う。

担当する六本木真理さんは「群馬のことで意外に知られていないことを知ってもらえればうれしい。
4月には郷土資料の貸し出しが前月比で1・7倍になった。もっと詳しく知りたければ司書が対応するので、声をかけて」と話す。
また、先日、図書館の資料が刃物で切り取られる事件があったばかりだが、
六本木さんは「貴重な資料を大切に扱ってほしい」と注意を促す。

一方、書店も群馬関連本に力を入れる。
前橋市文京町の紀伊國屋書店前橋店は、入り口近くに群馬に関するコーナーを展開する。

「やっぱり上毛カルタだんべ!」と販促用のポップの文字が躍り、「群馬のおいしいパン屋さん」や「奇跡のシェフ」−など
地元に関係する本や旅行、グルメなど約250種、約400冊の本や雑誌などが並ぶ。

同店で売れ筋の関連本は別表のとおりだが、もちろん漫画「お前は−」はここでもよく売れ、
単行本第1巻はコミック部門で堂々のトップに。
同作は、この春にドラマ化され、夏に映画も公開されることで、年代を問わず売れ行きがいいという。

同店長代理の山田貴裕さん(36)は「いろいろな本があるが、なんと言っても『上毛かるた』が手堅くコンスタントに売れる。
正月が近づくと、小学生らがかるた大会に備えて練習のために買うので売り上げが急増する」と驚く。
青森から群馬に転勤してきた山田さんは県民の強い郷土意識に感心していた。

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