『宇宙から恐怖がやってくる!』 フィリップ・プレイト
太陽系はDVDのような薄っぺらい形をしている。
どの惑星も同じ面内で太陽のまわりをめぐっているのだ。
小惑星もその面に張りついている。
だからずいぶんと探しやすい。
夜空の同じ領域を調べていればいいわけだ。

ところが彗星はそう簡単にわからない。
彗星は太陽系の面内にあるとはかぎらず、
まさに空のどこからも現れうる。
すると、地球への破壊的な彗星の接近に対処すべき準備期間が、大幅に減ってしまうおそれがある。
小惑星の衝突には何十年も前に警告が出せても、彗星の場合は数年前にしか出せないのだ。

ヘール・ボップ彗星でさえ、発見されたのは近日点通過の約2年前にすぎない。
地球がこの彗星のターゲットになっていたなら、手も足も出なかったはずだ。
ヘール・ボップ彗星の核は、直径が40kmもあった。
もしもこれが当たっていたら、過去に恐竜を絶滅させた小惑星衝突も、湿った爆竹のように思えたことだろう。