大手製薬会社「バイエル薬品」(大阪市)が血栓症治療薬の副作用報告を怠っていた問題で、厚生労働省は29日、同社に対し、製造販売する全ての医薬品を対象に同様の事例がないか調査し、7月末までに結果を国に届け出るよう命令した。

 バイエル社は26日、血栓症治療薬「イグザレルト」について、医薬品医療機器法で必要とされる国への副作用報告を怠った事例が12件確認されたと発表した。厚労省は「命に関わる重要な事例はなかった」としているが、報告漏れの原因究明も求めている。

 バイエル社は、宮崎県の診療所医師の協力を得て実施した血栓症治療薬に関するアンケートを巡り、協力した患者のカルテを男性社員が無断で閲覧していた問題が発覚。この調査過程で、副作用の報告漏れが判明したという。

2017.5.29 16:15 産経新聞
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/170529/afr1705290018-s1.html