出産は午前8時半から始まり、硬膜外麻酔が開始され、陣痛促進剤「オキシ
トシン」が多量に投与される中で異変が生じた。「頭が痛い」。寒気や吐き気
など不調を訴えたが投与は続いた。その後、子どもは取り出されるも子宮など
からの出血が止まらず、別の病院に搬送。「目を開けているのに目が見えない
。死にたくない」。搬送中に話した一言が最後の言葉だった。

 遺族によると、搬送先の病院で男性院長が「私は産婦人科をほとんどしてお
らず、ひよこだった」と弁明したという。「未熟で済むのか」。篠原さんの兄
はずっと引っ掛かっていた。