「正しいはしご」登り始めたAI アルファ碁の父語る
「脳の働き、再現できないものはない」
2017/6/4 2:30 日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HE3_R00C17A6MM8000/

米グーグルの人工知能(AI)「アルファ碁」が世界最強のプロ棋士、
中国の柯潔(か・けつ)九段(19)との三番勝負で全勝した。
生みの親で同社グループのAIベンチャー、英ディープマインドの最高経営責任者(CEO)、
デミス・ハサビス氏(40)は日本経済新聞の取材に応じ、
AI研究の進捗について「正しいはしごを登り始めた」と手応えを示した。

【ハサビス氏の発言まとめ】
「このはしごはとても高く、何段あるかわからない。
ただ、AIの歴史は誤ったはしごに登っては下りるの繰り返しだった。
『正しいはしご』にたどり着いたのは、大きい」

「あらゆる企業が『AIを使っている』と吹聴するが、9割はその意味を理解せず、
マーケティング用語として使っている。まさにAIバブルだ」

「脳の働きは非常に複雑だがコンピューターで再現できないものはないというのが我々の現時点の見方だ」

「アルファ碁」の勝利は世間のAIに対する関心を一段と高めたが、手放しでは喜べないという。
AIは70年代と90年代の2度、「冬」を経験している。
いずれも期待先行で成果が伴わず失望を買ったためだ。
過剰な期待は修正されるとみるが、
一方で「『正しいはしご』を登り始めた今回は過去のような『冬』は来ない」