世界成長率2.7%で据え置き 世銀17年見通し、日本は上方修正
2017/6/5 8:40
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H03_V00C17A6EAF000/

 【ワシントン=河浪武史】世界銀行は4日発表した最新版の世界経済見通しで、2017年の世界全体の成長率予測を2.7%とし、1月時点の見通しを据え置いた。各国の生産と貿易の回復が世界経済全体を下支えすると分析した。日本経済は輸出の持ち直しで1.5%の成長を見込み、1月時点の予測から0.6ポイント上方修正した。
 世界経済は18年は2.9%、19年も2.9%の成長を見込み、緩やかな景気拡大が続くと予測した。日本経済は18年も0.2ポイントの上方修正を見込んだが、成長率予測は1.0%にとどまる。企業の設備投資が上向くものの、賃金の伸びが低迷して個人消費は伸び悩んでいると指摘した。19年は消費税増税が予定されており、成長率は0.6%に鈍化すると分析した。
 世銀の米国経済の見通しは、現時点でトランプ政権の財政支出策を織り込んでおらず、17年は2.1%、18年も2.2%の成長予測にとどまる。大型減税などが実現すれば成長率が上振れすると指摘するものの、雇用逼迫や金利上昇によって景気押し上げ効果は限定的との見方も示した。米政権が貿易制限などの措置をとれば、世界経済全体の下振れリスクになるとも主張した。
 ユーロ圏の17年の成長率見込みは1.7%と1月時点の予測から0.2ポイント上方修正した。中国は6.5%のまま予測を据え置いた。