佐川急便は6日までに、トラック運転手が駐車違反の身代わり出頭を知人らに依頼した事件の再発防止策をまとめた。9月末までに宅配便配達時にトラックを止めるための駐車場の契約を増やす。駐車場を確保しにくい地域では、トラックに2人で乗務できるように人員を増強する。

 宅配便の運転手は基本的に1人で乗務しており配達で車を離れる際に駐車違反が起きた。駐車違反の取り締まりが厳しい地域で月決め駐車場の契約を増やし、配達時に車を止められるようにする。駐車場の確保が難しい場合は、2人で乗車して1人は車内に残れるように人員体制を整える。

 都市部を中心に配達の拠点となる小型店舗も増設する。台車などで荷物を運び、トラックを使わなくてすむようにする。

 駐車違反をした運転手が知人らに身代わり出頭を依頼したのは、摘発により一定期間乗務できなくなるのを避けるのが原因だった。このため駐車違反した運転手を配達業務から外す措置を原則禁止する。問題を通報する外部窓口も設けた。

 再発防止策は1月に約4万7700人の全従業員にアンケート調査し、弁護士3人からなる外部調査委員会の提言を踏まえてまとめた。佐川は「法令順守を徹底し、信頼回復に努める」とのコメントを出した。

2017/6/6 20:20