6日、日本原子力研究開発機構の施設で、放射性物質を入れた袋が破裂して、現場にいた作業員5人の肺から放射性物質が計測された事故について、原子力規制庁は法令に基づいて、原子力機構から原因や再発防止策の報告を受け、作業手順や安全管理に問題がなかったか調べることにしています。

原子力規制庁によりますと、原子力施設の作業員が5ミリシーベルトを超える被ばくをした場合、法令に基づき、原因や再発防止策を報告することが義務づけられていて、今回の事故では、この値を超えると見られることから、原子力機構から今月19日までに原因や再発防止策の報告を受けることにしています。

原子力機構によりますと、今回の作業では、破裂した袋が入った円筒形の容器を「フード」と呼ばれる開閉できる窓の付いた設備の中で取り扱っていたということです。

これについて、規制庁はさらに密閉性の高い設備を使う必要はなかったかなど、作業方法や手順が適切だったか、原子力機構から聞き取りなどを行って確認する方針です。

また、作業員が放射性物質の体内への取り込みを防ぐための顔の下半分を覆う半面マスクを着けていたにもかかわらず、吸い込んでいることから、マスクの装着状況やマスクを外すタイミングなど安全管理に問題がなかったか確認することにしています。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は会見で、「放射性物質は常に慎重に扱う習慣が大事で、プルトニウムに慣れすぎているとこういう事故が起きる。結果的に自分たちが、いちばんの被害者になるので、経営陣も含めて、もっと真剣に反省するべきだと思う」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170607/k10011009661000.html