配信先、毎日新聞2017年6月10日 12時57分
https://mainichi.jp/articles/20170610/k00/00e/040/278000c

梅生産量日本一の和歌山県を代表する梅の高級品種「南高梅(なんこううめ)」が、県南部の梅農家の倉庫から、たるごと大量に盗まれる被害が相次いでいる。

県警などによると、昨年2月以降、農家5軒で、たる約1000個分(約10トン、約523万円相当)が盗難。

県警は手口などから同一犯の可能性もあるとみて窃盗容疑で捜査している。

南高梅は近年価格が高騰しており、闇ルートで売却されているとみられる。

 「どれだけの手間をかけたことか」。同県田辺市の梅農家の男性(59)は憤る。出荷当日の5月9日朝、梅10キロ入りのたる67個(約33万円分)が倉庫から全てなくなっていた。

県警田辺署などによると、被害は2016年2月〜今年5月、みなべ町で3件、田辺市で2件あり、半径約5キロの範囲に集中。倉庫の南京錠が壊されるなどの手口が共通しており、一部は出荷直前を狙われていたという。

盗まれた梅は、農家が収穫後に塩漬けと天日干しを経た「白干し」と呼ばれるもの。その後、JAなどで味付けして梅干しとして販売される。