https://www.cnn.co.jp/m/world/35102883.html

(CNN) 政府軍と「マウテグループ」などイスラム過激派との交戦が続くフィリピン南部のミンダナオ島情勢で、地元住民が戦闘現場から逃れる際、最大100体の遺体を目撃したと証言していることが17日までにわかった。

同国の議会関係者が明らかにした。過激派が市内に立てこもり政府軍と対峙(たいじ)する同島マラウィ市での証言で、これらの遺体が民間人なのか過激派の戦闘員なのかは不明。

マラウィ市には交戦に巻き込まれて立ち往生している住民がいるとみられ、その安否への懸念が強まっている。ただ、100体との数字はあくまでも推定で、衝突が起きている現場で遺体を収容する手立てがないため、確認出来ないものとなっている。今回の証言内容は、戦闘現場から徒歩でかろうじて逃げ出し、橋を渡って安全地域に到達した地元住民らのものとなっている。

CNNの取材に応じたフィリピン国軍当局者によると、マウテグループが殺害した民間人はこれまで計26人。政府軍の砲撃で死亡した一般住民の人数には触れなかった。

また、殺害した過激派の戦闘員総数はこれまで207人。政府軍兵士の犠牲者は58人。助け出した民間人は1619人としている。マラウィ市などに籠城(ろうじょう)する戦闘員は数百人規模とされている。

政府軍と戦闘になっているのは、主にマウテグループで過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓っている。また、地元のイスラム過激派「アブ・サヤフ」とも共闘しているとされる。

2017.06.17 Sat posted at 16:05 JST

イスラム過激派の拠点に投下された爆弾が爆発=9日、マラウィ市
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