■コデイン(CODEINE)=メチルモルヒネ(METHYLMORPHINE)

■通称

スクール・ボーイ(男子生徒)

 コデインは最も安価で効果的な鎮咳剤で、かつ多少は鎮痛効果もある薬として、人類が有史以前から使用し続けていた物質です。この薬はあへん系麻薬ではありませんが、よほど長期間にわたり、
而も多量に用いない限り中毒にはなりません。禁断症状もヘロインやモルヒネほど激烈なものではありません。(我国では、重量比で1,000分の10以下のコデインを含有する風邪薬などは、
麻薬の規制から除外された「家庭麻薬」として、一般に市販されています。)コデインもあへんから抽出される物質です。
いわば、兄貴格にあたる物質であるヘロインやモルヒネと異なり、コデインは錠剤或いは鎮咳シロップなどの形で、経口摂取されたときに効果を発揮します。

 沢山の薬が複合的に入っている製剤の、一つの成分としてコデインの働きは、中枢神経の抑制作用です。咳を鎮め、痛みも多少和らげるといった効果がありますが、
その反面腸の働きを抑えますので便秘の原因にもなります。稀には悪心を伴います。全体的にはモルヒネの効き目よりも穏やかですが、アスピリン、ダーヴォン(Darvon)、
デメロル(Demerol)、ペルコダン(Percodan)、ティレノール(Tylenol)、エンペリン(Emperin)などに比べ、鎮痛効果は大きいものです。

 乱用者でない普通の人の場合、咳止めや鎮痛剤を2〜3週間使ったとしても、不安や危険は全くありません。

鎮咳用シロップ(COUGH SYRUP)

 咳止めシロップそのものが乱用薬物という訳ではありませんが、長期にわたる乱用は身体的依存を作ります。乱用者が急場をしのぐために咳止めシロップに注目する理由は、
大抵の咳止め薬にはアルコールとコデインが入っているからです。
(日本でも昭和50年代には相当流行しましたが、今でも乱用する人がおります。
コデインの含有量は少ないため、乱用者の中には何本も一度に飲むような無茶な人もおります。)
http://www.dapc.or.jp/data/hero/2-3.htm