熊本地震の被災家屋から不発弾が見つかる事例が相次いでいる。

 昨年、熊本県警に届け出があった不発弾は、前年の10倍以上で150個を超え、ここ5年間で最多となった。被災家屋の解体作業中に見つかる例が多いとみられ、県警は「爆発の危険性もあり、見つけたらすぐに通報してほしい」と呼びかけている。

 県警は2016年、不発弾175個を確認し、15年の13個を大きく上回った。17年も5月末時点で11個の不発弾が見つかった。

 不発弾を処理する陸上自衛隊西部方面後方支援隊の不発弾処理隊(佐賀県吉野ヶ里町)が調査したところ、被災家屋の床下や倉庫、庭から見つかることが多かったという。不発弾は、日清・日露戦争の兵士が、記念品として持ち帰ったものとみられ、いずれも銃弾や砲弾などで、空襲で使われたような爆弾はなかった。

 陸自によると、不発弾は、危険性に応じて処理される。信管が残っていたり、安全装置が解除されていたりした場合は、同処理隊が緊急出動して発見当日に処理する。そのほかは、警察署で一時保管した後に回収する。地震後には、緊急出動が急増しており、15年には0件だったが、16年には11件に上った。17年もすでに2件の出動があった。

 家人が床下から見つけて、手に持って交番に届け出た例もあったといい、県警生活環境課の江藤真吾次席は「不発弾を見つけた場合は、むやみに触れず、現場を保存して、最寄りの警察署にすぐに届け出てほしい」と話していた。(那須大暉)

2017年06月29日 07時55分 読売新聞
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