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金塊の密輸事件が相次ぐ中、ことし4月、関西空港に同じ国際線の便で到着したマレーシア人が、国内の取引価格で5億円以上に相当する100キロを超える金塊を密輸しようとしたとして、大阪税関に摘発されていたことがわかりました。税関は、高値での金の取り引きが続く中、これまで主流だった香港や韓国経由に加え、新たなルートでの密輸にも警戒を強めています。
関係者によりますと、ことし4月、関西空港の税関の検査場で、マレーシアから到着した同じ国際線の便の乗客10人が、衣服の中などに大量の金塊を隠し持っているのを大阪税関の職員が見つけました。

この10人はいずれもマレーシア人で、隠し持っていた金塊は、合わせて100キロを上回り、国内の取引価格では5億円以上に相当するということです。

また日本国内に持ち込むために必要な申告はされておらず、税関は、密輸の疑いがあるとしてその場で金塊を差し押さえたということです。

これまでに摘発された金塊の密輸は、大半が香港と韓国からでマレーシアからは前例が少なく、税関は、高値での金の取り引きが続く中、新たなルートでの密輸が広がっている疑いがあると見て警戒を強めるとともに、消費税法違反などの疑いでの刑事告発を視野に、調べを進めるものと見られます。
金塊密輸が急増 新ルート警戒
財務省は7月から翌年6月までの1年間ごとに、罰金に相当する金額の支払いを科したり、検察に刑事告発したりした金塊の密輸件数の推移を公表していますが、ここ数年急増しています。

平成25年6月までの24年度は7件、25年度は8件だったのに対して、26年度は一気に177件まで増え、27年度も294件とさらに増加しました。平成26年4月に消費税率が8%に引き上げられたころから急増しています。金塊を密輸することで消費税分の納付を免れ、それを消費税分を含んだ金額で売りさばくことで、差額を不正な利益として得ていると見られています。

また税関では、新たな密輸ルートへの警戒も強めています。去年6月までの1年間に摘発された294件の密輸のうち、香港ルートが135件、韓国ルートが88件と、合わせて8割近くを占めています。一方、今回、摘発されたマレーシアルートは、年間10件程度と前例はそれほど多くありませんでした。

こうした状況から税関は、“日本に大量の金を密輸すれば利益になる”と新たな密輸ルートが広がっている疑いがあると見ていて、今回、摘発したマレーシア人についても、消費税法違反などでの刑事告発を視野に、実態解明を進めるものと見られます。
(リンク先に続きあり)

6月30日 5時08分