[東京 30日 ロイター] - 日銀の原田泰審議委員は30日、都内で29日に行った講演で、ナチス・ドイツ総統だったヒトラーが「正しい財政・金融政策をしてしまったことで、かえって世界が悪くなった」などと発言したことについて、誤解を招く表現があったことを心よりお詫び申し上げたいと謝罪した。
ロイターに対してコメントした。

原田委員は一連の発言について「早期に適切な政策運営を行うことの重要性を述べたものであり、ヒトラーの政策を正当化する意図は全くない」と述べ、「実際、発言の中において、ヒトラーの政策が悲劇をもたらしたことは明確に指摘している」とした。
ただ、「一部に誤解を招くような表現があったことについては、心よりお詫び申し上げたい」と謝罪した。

原田委員の発言について日銀では「日本銀行としても、審議委員の発言に誤解を招くような表現があったことについては遺憾に思っており、こうしたことがないよう、今後とも注意してまいりたい」とコメントした。
原田委員は29日の講演で、1929年の世界大恐慌後の欧米の財政・金融政策に言及し、「ケインズは財政・金融両面の政策が必要と言った。1930年代からそう述べていたが、景気刺激策が実際、取られたのは遅かった」と述べた。

さらに欧米各国を比較すると、英国は相対的に早めに財政・金融措置を講じたが、ドイツ、米国は遅く、フランスは最も遅くなったと分析。

そのうえで「ヒトラーが正しい財政・金融政策をやらなければ、一時的に政権を取ったかもしれないが、国民はヒトラーの言うことをそれ以上、聞かなかっただろう。
彼が正しい財政・金融政策をしてしまったことによって、なおさら悲劇が起きた。ヒトラーより前の人が、正しい政策を取るべきだった」と語った。

合わせてナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺と第2次世界大戦によって、数千万人の人々が死んだとも述べた。 (伊藤純夫)

配信 2017年 06月 30日 19:40 JST
ロイター
https://jp.reuters.com/article/harada-boj-apology-idJPKBN19L1DC

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