>>1>>700の続
> そして10日。被告は早朝から少女の自宅が見渡せる駐車場に行き、少女が登校するのを確認している。
>少女が下校するのを待ち、把握していた名前を呼びながら駆け寄り「両親が離婚することになった。弁護士から話があるので車に乗ってください」とうそを話し、断り嫌がる少女の腕を引き車に乗せた。
>少女に駆け寄る際、被告は誘拐の場面を録画するため、携帯電話の録画機能を作動させていた。
>ここで寺内被告は「両親が離婚するという話は嘘だ」と明かし、さらに「本当はあなたの家庭に借金があり、あなたの臓器を売ってお金をつくろうと両親は考えている。そこで私が保護する」という作り話をした。
>その場で「しばらく友達の家です。さがさないでください」と書かせ、少女宅のポストに入れた。

> 車中では少女にアイマスクをさせ、あらかじめ音声合成ソフトで作っておいた臓器売買に関する音声データを聞かせた。少女はただ困惑するばかりだったという。

> 千葉県の自宅では「帰る場所はない。家族から見放されている」と繰り返し言い聞かせたほか、「私は捨てられた」などと何度も書かせ復唱させるなどしていた。

>また、洗脳の一環として洗脳が進むよう、植物の種から合成麻薬LSDに似た幻覚作用がある成分を抽出してドラッグを作り、少女の食事や飲み物に混ぜ飲ませていた。
>「具合が悪い」と体調不良を訴える少女に「寝てれば治るんじゃないか」と答えている。

>少女が「逃げたい」と書いたメモを見つけると、ネットで更に南京錠などを注文した。
>少女がおかれた部屋の隣室から携帯電話の録画機能を使うなどして、様子を監視するなどもしていた。

> 公判では少女から聞き取った調書内容も朗読され「監禁されている間は、楽しいとか嬉しいと思うことは一度もなかった。」などと述べた。
>そこには、寺内被告の部屋から抜け出して助けを求めたが聞いてもらえず、「ショックで絶望した」という衝撃的な内容もあった。

> 調書によると、同年4月、寺内被告が「夕方まで出かける」と外出し、玄関に鍵がかかっていなかったため、少女は午前11時ごろに部屋を出て、近くの公園に着いた。
>そこで男児を連れた女性に「ちょっといいですか?聞きたいことがあるのですが」と話しかけたが「忙しいから無理」と相手にされなかった。
>直後、青色の回転灯を付けた防犯パトロール車の運転手とも目が合ったため助けを求めようとしたが、車は走り去ってしまったという。
> 公衆電話を探したが見つからず、高齢の女性に「ちょっといいですか」と声をかけたが「無理です」と断られた。
>少女は「全く話を聞いてもらうこともできず、ショックで絶望した。本当に誰も私の話を聞いてくれないんじゃないかと思い、他人皆が怖いと感じるようになった」と当時の心情を振り返った。
>寺内被告が言っていた通り、誰にも助けてもらえない状況だと思い込み、再び寺内被告の部屋に戻ったという。

>翌日にも再度外に出ようとしたが、玄関に外鍵がつけられ開かなくなった。
>それから監視は厳重になり、寺内被告が室内で過ごす日が多くなる。
>行動するときはピッタリと側に張り付くようになり、恐怖を感じたという。

>寺内被告から「(少女の母から)「預かって欲しい」と言われた」「捨てられたお前を誰も探していない」などと聞かされ
>「最初はそんなことはないと思っていたが、誰かが捜しに来る様子もなく、家族が私をどう思っているのか分からなく不安で、誰も捜していないかもしれないと思うようになった」
>「捨てられた、帰る場所がないという言葉を何度も思い出し、頭の中でぐるぐるして、考えても答えが出ず、何を信じていいのか分からなくなりつらかった」という。