http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170704/k10011041951000.html

北朝鮮は4日、「特別重大報道」として、「ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功した」と国営メディアを通じて発表しました。これに先立って、アメリカは、北朝鮮が発射したのは中距離弾道ミサイルだったという見方を明らかにし、関係国が分析を続けています。
北朝鮮は日本時間の4日午後3時半、国営の朝鮮中央テレビを通じて「特別重大報道」として「ICBM=大陸間弾道ミサイル発射実験に成功した」と発表しました。

発表によると弾道ミサイルは「火星14型」という名称でキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の命令で日本時間の4日午前9時半ごろに日本海に向けて発射され、933キロの距離を飛行し、高度は2802キロに達したということです。北朝鮮がICBMの発射実験を行ったと発表したのは初めてで、「核兵器とともにICBMを保有した、堂々たる核強国になった」と主張しています。

一方、これに先立ってアメリカ太平洋軍は、声明で、北朝鮮が発射したのは、ICBMではなく、中距離弾道ミサイルだったという見方を明らかにし、アメリカをはじめ、韓国など関係国が詳しい分析を続けています。

北朝鮮は4日午前9時39分ごろ、北西部のピョンアン(平安)北道クソン(亀城)付近から日本海に向かって弾道ミサイル1発を発射し、日本政府によりますとおよそ40分間飛しょうしたあと、日本のEEZ=排他的経済水域内に落下していました。

キム委員長はことし元日の演説で、ICBMの発射実験の準備が「最終段階に入った」と述べ、発射実験を強行する可能性を示唆したのに続き、国営メディアは先月10日、「ICBMの発射実験の時期は遠くない」と主張していました。
専門家「アラスカなどに届く発射実験に成功」
海上自衛隊の元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は、今回の発射について「40分間飛行したのであれば、飛距離を出すように発射した場合の射程は、7000キロから8000キロになると見られる。北朝鮮から発射してアラスカなどに届くミサイルの発射実験に成功した可能性がある」と指摘しています。

その一方で「実験と実戦配備とでは意味が全く違う。実験に成功してもそこからさらにステップを踏まないと武器としては使えない」と述べ、実践配備には一定程度の時間がかかるという認識を示しました。

(つづく)